*空回りの運命線

□金魚の糞は切れません
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バンッ






激しい音をたてて、佐々木さんが吹き飛んだ

私は、目を丸めながら唖然としていた
総悟の手には刀。その刃先は血の一滴もついてなどいない







『土方さん』

大きな拳をつくり、壁に叩きつけられた佐々木さんを見る
その目はとても冷たかった






「これだから、非エリートは」
フッと笑いながら、立ち上がり服についた木片を払う
その目は、一切笑ってなどいなかった
そして




「紅さん」
口についた血をハンカチで拭き取りながら、私を見つめる
佐々木さんのレンズがイヤにギラギラとひかる



「少し一緒に来てくれませんか」
その一言に、総悟と土方の目は変わる
だが、そんな目にも気にせずに私をジッと見つめる










「私がここに来た理由は二つです。
別に非エリートの悪口を言いにきた訳じゃありません。
一つ目。紅さんの具合を見に。


二つ目。貴方に相談がしたい事がある」

指で、1や2を作りながら説明する
彼の相談は、何回もされ何回も断った。だって、彼らは自分らの利益しか考えてないから




「さぁ。行きましょう」

そう佐々木が言うと、信女が私の手を掴む










だが

「おい。誰も行けとは言ってないぞ。舞川」
壁によりかかった土方は、佐々木を睨みつける様に言う



「そうですぜぃ。

補佐でもあろうモンが、隊長の許可なくいなくなるのは どうかと思うぜ」

ギロリと信女を睨みつける。

互いの視線は絡み合い。そして、鋭く尖る。痛いくらいに






「邪魔をするの?

邪魔するなら、許さない」

私の手を離し、信女は刀をぬく
その目は変わらず真っ黒で、表情すらない





だが

「信女さん」
その言葉にピタリと止まる
不機嫌そうに佐々木へと、視線を向ける。
佐々木の目は「やめろ」そう言っていた




「ここで、争いをしている暇はない。なんてったって私達はエリート。
非エリートのただの挑発に乗ってはいけませんよ。
それでは、土方さん
紅さんをお借りします。

















まぁ、私物にするかもしれません
が」
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