*空回りの運命線

□ミツバ姉
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「どうちたのかな?」

赤ちゃん言葉で喋る男の後にゲラゲラと下品に笑いはじめる男達

総悟は私をかばう様に手を前に出し、睨みつける





「ねぇ。君達さぁ

その格好からして、都会もん?」

普通の和服なのだが、むこうは少し薄よごれた服を着ている
それなのに、顔には痛々しくピアスなどがさしていた




「俺達今金がないんだよね」

ズルズルと鉄パイプを引きずりながら歩いてくる

言いたい事は分かる

金をよこせ。
よこさなかったら、あのパイプでフルボッコと言うことだろう



「紅…」


『もう、大丈夫』

涙を裾でふき、立ち上がる
私は男達を睨みつける。でも、なめた様に動揺も何もない




「おー?俺達とやろうっての?」

「お前らみたいなお子ちゃまに俺達が負ける訳ねぇの!!」


ゲラゲラと笑う男達。
その瞬間、総悟が刀に手をかけた。
でも、私はそれを見逃さなかった




『総悟!!』


カジリと力強く刀を握っている手をつかむ
少し興奮しているのか、総悟はフーッと息を上げている




「な、なんでお前ら刀なんて持ってんだよ!」

「攘夷志士じゃねぇーの?」

少し驚いた様に一本下がる




「い、いや、いいチャンスじゃねぇーの?

俺達がコイツラを倒せば、力が認められる」

「そ、そうだな!」


一人の言葉に、仲間二人は頷きコチラをなめるように見る












「やっちまぇぇぇぇ!!」
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