*空回りの運命線

□久しぶり
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ガタンッ



電車の揺れで我に返った

携帯で時間を確かめると、近藤さんの電話から15分も経過していた



私は、何も思わずに携帯をポケットにしまい、トイレの戸を引いて外に出た
すると




「なげぇ便所でしたねぃ

下痢ですかい?」

トイレの入り口付近にある壁によりかかった総悟がいた



『馬鹿野郎。
クソの切れが悪かっただけだ』

「それは、ご苦労なこったぁ」

私と総悟は、自分達の席に戻った
相変わらず 乗ってる客はスヤスヤと寝ている
私は、大きなあくびをし 目をこすった

この頃は、ずっと病院生活だったから 感じてはいなかったがストレスが溜まっていたのだろうか?
でも、総悟達といるだけで安心する



『ねぇ、そう…』

急に目の前が暗くなる
何か起こったかわからない私の耳元で声がした




「アイマスク
特別に貸してやりまさぁ

ぐっすり眠れる事は保証するぜ」

頭を二回ポンポンと撫でると、私を引き寄せた
総悟の肩が、私の頭に当たる

寄っかかってもいいって事だろうか?





『ありがとう』

そう言うと私は深い眠りについた
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