*空回りの運命線

□綺麗な花火と甘い香り
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俺はお巡りさんが消えていった方向をただただ見つめた

初めて女に殴られた…
まだズキズキする頬を押さえながらぼーっとしていると




「まさか団長が女相手に殴られるとはな」
背後から聞こえた声に振り向く
それは、さっきまで探してたというより探させてた張本人


「阿武兎 見てたんだ」
そうニッコリと笑い立ち上がる
阿武兎は呆れた顔で俺を見て、ため息をはいた


「このすっとこどっこい

急に食べ物のいい匂いがしたとたん走りだすから、探すのどんだけ大変だったか…」
そう言って 額を手で押さえた
そんな時だった







バンッ



と大きな音と共に頭上で光る
確か花火というものだ
次々と打ち上がる花火のおかげで長ったらしい阿武兎のお説教は全く聞こえない




「ねぇ。阿武兎」

「あぁ なんだ」



「また来よっか 地球。」
そう笑うと、阿武兎は呆れながらも笑う



「心残りでもあんのか」




「うん。
殴られたお詫びもしなきゃいけないし…


それに
まだアイツと決着ついてないしね」




そして


また頭上で花火が上がった







<次会う日まで>
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