*空回りの運命線

□綺麗な花火と甘い香り
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「ねぇ!お巡りさん」
そう俺が呼ぶと、お巡りさんは面倒くさそうに振り返る
あれから、三十分がたち なかなか阿武兎は見つからない

まぁ、俺は別に見つからなくてもいいかな
お巡りさんと居るのも悪くないし。それに、阿武兎に見つかったら 無理やり帰る事になるからさ


「俺、次アレ食べたいな」
そう言って「りんご飴」と書かれた屋台を指差す
お巡りさんは大きなため息をつき、呆れた目で俺を見た

『神威君はさー。
探す気あるの?私早くツレのとこに戻りたいんだけど』

「ツレ…?
お巡りさん誰かとお祭りに来てたんだ」

『私だって、一緒に廻る人くらいいるよ
ほら、りんご飴食べるんでしょ?』
お巡りさんは、少し口を尖らせて俺をちょっと睨んだ
その廻る人って…男?
そう聞こうと思ったが、スタスタとりんご飴の列に並んでしまった

まぁ違うな
お巡りさん男に興味無さそうだし…
勝手に自己解釈し、お巡りさんの隣に並んだ

「お巡りさんもりんご飴食べる?」

『私はさっき綿あめ食べたからいいや』

「綿あめ?それも美味しそうだね
次は、それ食べようか」

ニコニコ笑うと、お巡りさんは また呆れた視線を俺に向けた
そんなに俺と居るのが面倒くさいかな?俺は楽しいんだけど…

そう思いながら、りんご飴を買い
また人混みの中に入る
だんだん夜になりつつ、もう空には月が輝いている。
だから、なのだろうか人もさっきよりも多くカップルも多くなってきている
すると、横を通ったカップルが綿のようなフワフワしたのを持っているのに気がついた


「あ!ねぇお巡りさん
あれが綿あ…」
そう言おうとした時ピタリと立ち止まる
お巡りさんは、俺の様子に異変を感じ俺を見て 驚き後ろを振り返る

俺の肩から見えるギラギラと光る刀を目の端で見つめながら、ニコニコと笑う
笑いが止まらない。こうゆう面白いのを期待してたんだよ俺は




「おい。てめぇは誰だ」

「俺の名前を聞く前に君から名乗ったほうがいいんじゃないの」

その人を馬鹿にしたかの様に言う俺に腹が立っているのか俺に向けている刀が震えている

『ちょっ!総悟』
慌てた様子で、俺と総悟という人の間に入るお巡りさん
俺は、クルリと振り返り ヤツの顔を見る。


「へぇー。コイツがお巡りさんと一緒に祭り廻っている人か‥」
ジッと俺は見つめるが、相手は飛んでもない殺気で俺を睨みつける



へぇ…結構面白そうじゃん
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