*空回りの運命線

□月夜の晩
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『銀ちゃん。
気持ち悪い…』

「だから、飲みすぎんなっつただろ!?」
気持ち悪いという紅を背負って俺は夜道を歩く。
月は、もう高くまで登っていた。



『馬鹿野郎!!
酒はガツガツいかなきゃ 美味しくないだろ!』

「いやいや。
ガツガツって君まだ未成年だよねー?」
そう言うと紅は、へへっと笑った
俺はため息をつき 夜道を歩く



『ねぇ。銀ちゃん』

「なんだ?
トイレでも行きたいのか」


『銀ちゃん。土方さんに似てる…』

「は、はぁぁぁぁ!?」

その瞬間、蕁麻疹と鳥肌が一瞬にして現れる。
でも、その発言をした本人は何の変わらぬ顔で俺の肩から顔を出す




『私の小さい頃土方さんが おんぶしてくれた事があってね。
その時の、大きくて暖かい背中が銀ちゃんと同じ。
私、銀ちゃんの妹になりたいな』

そう言って、ハハッと笑う。
アイツと似てる事は気に食わないが、紅が笑ってくれる
なら それもそれでありだろう。



「ほら、紅」
俺は片手で紅をおんぶし、片手でモノを差し出した

『え!?いいの』



「あぁ。お兄ちゃんからのプレゼントだ」

そう言って笑うと、紅は嬉しそうにチョコレートを頬張った









〈君が笑ってくれるなら〉
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