*空回りの運命線

□笑う門には福来る
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"アイツは誰にも渡さねぇ"








"いつまでも こんな風に馬鹿騒ぎして…"








"俺とアイツは、このままの関係でいい"









三人の思いえがく未来
それはそれぞれ違えど、三人は笑った





空回りしていた線がしだいにほどけていく_













ーー




『えぇー!?
りょ 旅行ですか!?』

甲高い声が屯所にひびいた
局長室から漏れ出す声は、屯所の誰が聞いても分かる女の声

その女は、嬉しそうに机に身を乗り出し局長 近藤勲に詰め寄った




「あぁ!

二泊三日。温泉旅行」

紅にも負けない声のでかさで近藤さんは答えた
その返事を聞くと、紅と近藤さんは手を取り合い
温泉旅行の想像を口々に語る




「喜ぶのはかまいやせんが、なぜ温泉旅行?

それに真選組が江戸からいなくなっちゃ…「その事については心配ないぞ!」

ヅイと顔を近づける近藤さんに一歩ひく





「話は遡って夏 真っ盛り!

紅のそよ姫 誘拐事件の事だ!
それで、姫様は万事屋のチャイナ娘に会えて 一日遊んだ訳だが
その事のどうしてもお礼がしたいと姫様が申してくれてな!」

バンッと興奮気味に、机をたたく近藤さん。
その横で、いぇーい!と言いながら万歳と手をあげる紅



「それで、真選組の件はどうなった」
ふぅーと白い煙を吐き出しながら、近藤さんを見つめる
だがそんな土方さんにも、誇らしげな顔をしながら口を開いた



「あぁ!その話を今からしようと思ってたんだよ!


お礼をするにしても、紅 は真選組。どうしよーうと姫様はずっと考えていたそうだ。

で、そこに現れたのは」


近藤さんは焦らすかの様にためる
その横では、おぉーと煽る様に返答を待つ紅

なんかうぜぇ…この二人






「見廻り組の皆さんですっ!」


『いぇぇぇぇぇい!!』

パチパチと一つの拍手が響く
俺と土方は、めんどくさそうに紅と近藤さんを見つめた



「その見廻り組の佐々木さんが言ったセリフが


"紅さんには先日迷惑をかけました。
私達 見廻り組が恩返しというのもなんですが、真選組の穴埋めをしましょう"」


『よっ!佐々木先輩

かっこうぃぃぃぃぃぃ!!』



うぜぇ。
いい加減うぜぇこの二人
二人の周りにはピンクのお花がキラキラと咲き誇っている。
今すぐその花からしてやりてぇ






「それで、晴れて俺たちは二泊三日の旅行に行けるわけだ!」

その声は屯所中響きわたった
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