*空回りの運命線

□絡まる感情
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あれから、数日がたち
俺はいつもと変わらない毎日を過ごしていた
外は、もう秋の訪れを感じさせる様に紅葉がちらほらと見える


俺はふぅーと煙草の煙をはく
白い煙は俺の視界をふさぐ様にたち そして消える



すると

『はぁー?
そんなの一人でやってよ』
屯所の中から、女の声が聞こえる
俺は自然にそちらに耳を傾ける


「一人でやってもつまんねぇ
報酬は弾みやすぜ」

あぁ。総悟と話してるのか
またアイツ 舞川と書類終わらせるつもりだな
そんな事を思いながら舞川達がいるであろう部屋を見つめた





「よぅ トシ」
総悟達に気を取られていたせいか全く気がつかなかった。後ろに近藤さんがいることを
近藤さんは、手を少し上げ俺の隣に並ぶ
近藤さんは俺の見ている先を見る







「紅か?」

「バッ!
違ぇよ!」

急に出てきた名前に、煙草を落とす
近藤さんは、いやらしくニヤニヤ笑ながら俺を見る



「俺はいいと思うぞ。もう…」
近藤さんは、そう言うとどこか遠くを見た
俺はその言葉の意味がわからなかった


「ミツバさんの事は」
ポツリと近藤さんがつぶやいた一言を気にせずに煙草をつける
そして、白い煙をはきだした






「別に気にしてなんかねぇよ。」


「そうか」
近藤さんはものありげな顔をすると紅がいる部屋を見る




「それなら、奪いに行けばいい

気になるんだろ?
あの二人の関係とその行方が
早くしないと間に合わなくなる」
真面目そうな顔で近藤さんは俺を見る。
この人は何を考えてるか分からない。
俺は一筋の煙をはき、口をひらいた




「俺はアイツとそんな大層な関係を紡ぎたいと思っているわけじゃねぇよ。近藤さん





俺はただアイツの近くにいてやりてぇ。」

そう俺はアイツとはそうゆう関係でいいんだ。
その言葉を残し、少し肌寒い中庭をあとにした
 

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