*空回りの運命線

□ミツバ姉
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『んー!
ここに来るのも久しぶりだね』

そう言いながら、ミツバ姉のお墓に駆け寄る
確か一年ぶりだろうか。お盆に来てからここには足を踏み入れてなかった

総悟はさっき買った花束をお墓に飾る
お墓には少し明るいその花束は、優しく風に揺られた




『ミツバ姉』

呟けば返ってきそうな返事や笑顔。
でも、それは風に流された



「紅」

横からフッと聞こえた声にパッと顔を上げる
総悟の顔は少しさみしげに笑っていた


「三人で会ったのは久しぶりですねぇ」

『うん。そうだね』

私が笑うと、総悟は今にも涙がこぼれそうな顔をしながらお墓を見つめた

そんな顔しないでよ…
私だって悲しくなっちゃうじゃん



"紅ちゃん"


ミツバ姉の声が頭に響く
私を家族と言ってくれた彼女はもういない

そう思うだけで、胸が張り裂けそうな痛みに襲われる




バサリッ



「紅っ!!」

ガクリと崩れ落ちる
ボロボロとこぼれる涙は止める事ができない
ギュッと胸に手を当て自分をなだめ様とする。だけど止まらない




『ミツバね…「おー、悲ちいでちゅね」

言葉を遮って聞こえた声に顔を上げる

そこには、チャラチャラした男達がいた
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