*空回りの運命線

□笑顔の裏をなめちゃいかん!
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「だから、何度言ったら分かるんでィ

ここは、餓鬼が来るとこじゃねぇんだよ」


「なんだよ!
お前だって餓鬼じゃんか!!
いいから、中に入れろよ」


「あぁ。分かった」


ガチャリ


「えっ、あ
おいぃぃぃぃぃぃ!!

これ外せよ!」


「中に入りたいん…『てめぇら、さっきからギャーギャーうるせぇんだよ!』


私は、痺れを切らし怒鳴った
せっかく山崎と話してたのに 山崎の声全く聞こえないじゃんか!

私が聞き逃した山崎の声返せコノヤロー!!


「いや、でも紅
この餓鬼が」

『餓鬼?』

そう言って視線を下に向けるとムスッとした表情で、手錠をつけられている少年がいた。


「コイツさっきから屯所の中に入りたいってうるさいんでさぁ」

迷惑そうに総悟は、少年へと視線を向ける。だが、少年フンッと顔を背けてしまった



『屯所に入ってもむさいだけなのにねー
もの好きだねアンタも』
そう言って、少年の頭を撫でた
すると少年はコッチへと目を向け、パチクリと私を見つめた


「貴女は、紅さんですか?」
まん丸とした目で私を見つめ、問いかける。
さっきから、総悟が餓鬼って言うから生意気な印象だったけど結構可愛い子じゃん


『そうだけど君は?』

「僕は、左美月 ヤマテ」

『ヤマテ君か
よろしくね』

ニッコリと微笑む少年に、私も微笑み返した
すると、山崎は不思議そうにヤマテ君を見つめていた



「あの隊長」

「あ"?なんだ山崎」

「えっ!?いや何でもないです!」

何故か怒っている隊長にビクッと心臓が飛び上がり慌てて顔を背けた
まさか、嫉妬!?
いやいや あんな小さな男の子に嫉妬するなんて事はないはず
そんじゃあ、なんで…


俺はヤマテ君の顔をジーっと見つめた。




バチッ




「えっ?」

『どうした?山崎』

ヤマテ君と楽しそうに話していた紅さんがコチラを向き問いかける。
俺は、「いえ!」と答え俯いた




今ヤマテ君と一瞬目があった時、
もの凄く殺気のある目見られた気が…



「おい。ザキ」

「は、はい!」


「あの餓鬼には気をつけろ」


真っ直ぐとヤマテ君を見たまま俺に小声で言った。
それは、俺も同感。
何かあの少年にはある

そう思った
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