*空回りの運命線

□綺麗な花火と甘い香り
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『うひょー!』


そう言いながら、綿飴を叔父さんから受け取る。
後ろに並ぶ子供達に変な目で見られるが関係ない。綿飴のなんていうか喜びが心では収まりきらず声に出してしまっただけだ


「本当。餓鬼ですねィ」
浴衣に身を包んだ沖田君は、まぁ今で言うイケてるメンツ イケメンなのだが。
なんか、私は心が動かないというかなんというかで…。

ほら、幼い頃から一緒にいるからさ キラキラとした魅力がわからない…例えるならあれよ!
お兄ちゃんが友達から見たらイケメンなのに、妹からしたらどこがいいのか分からないみたいなさ!
そうそう!そんな感じ



「紅?
何考えてんのか分かりやせんが
ボーッとつっ立ってないで行きやすぜ」

『あぁ!ごめん』
そう行って、総悟の隣に行く。
私は、フッと総悟を見る

…大きい
総悟といつの間にか こんなに身長が違っていたなんて
昔は私と同じ…いや私の方が少し高かった。
9年間でここまで変わるとは…


「おい!紅
あれ見ろィ!!」
急に肩をグイッとひっぱられ見ると、そこには

『金魚すくい?』
赤 黒 白の沢山の金魚が泳ぐ水槽の前でしゃがむ総悟。
やっぱ 前言撤回。
コイツ9年前から何も変わってねぇわ
呆れた目で総悟を見てると



「ほぉー
仲良くデートですか?
いいねぇ リア充は…」
急に聞こえた声に、一発ぶん殴ぐろうと振り向くとそこには
クルクルとした天然パーマに鈍く光る銀色の髪の毛をした


『ぎ、銀ちゃん!』
驚き目を丸める私に、よぉと片手を上げた

『銀ちゃんも誰かと来たの?』

「あぁ。
新八と神…「あ"ぁ!お前は」
銀ちゃんが何かを言おうとした時
銀ちゃんの後ろから誰かが出てきた。



「お前、こんなとこで何してるアルカ!!」
そう言って総悟の胸ぐらを掴む。総悟は、いつもと変わらぬ表情で神楽ちゃんを見つめた

「何してるって?
そんなん見れば分かるだろィ
そんな事も分からないなんて飛んだ馬鹿ですねィ」
そう言ってニヤッと笑う総悟。
すると、神楽ちゃんは顔を真っ赤にして怒り始め
勝負だとか決着をつけるとか言って 金魚すくいで対決し始めた2人。


「大変だな。紅も」

『お互い様でしょ‥』
激しく金魚すくいを目にも止まらぬ速さでする2人に苦笑する
いや、それより一番大変なのは金魚すくいの屋台のグラサンかけた叔父ちゃんだろう。



『あっ、そうだ。
私 ちょっとゴミ捨ててくるね』
そう言って、綿飴のゴミを手に握り金魚すくいの屋台から離れた
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