雨唄(小説)
□雨唄 2
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「…ん…」
目がさめた…。俺はここで一体何を…?長い夢を見てた気が……
“今日最後の巨人が殺されるんです”
「…は…?」
何かリアルに残っている この言葉は一体…?
この声は…
「エレン…?」
もしかして エレンが殺されるのか…?
これはいそいで外に出た。雨がふってることなんかどうでもよく、おおぜいの人が集まっている所にたどりついた。人だらけで 中央はよく見えなかったが、何故かエレンがそこにいることはわかった。無理矢理、人ごみをかき分けながら進んでいくとエレンと目があった。
「エレン!!!」
大声で名前を呼ぶ。君は一瞬おどろいたようだったが、俺に微笑んだ。そして、死を覚悟したかのように目をつぶった。
エレンガコロサレル
だめだ…エレンは…まだ…
必死に人ごみを掻き分ける。
やっとたどりついたとおもったら、その時には エレンの首はなかった…。 何故こうなる…俺はまた…大切な人を…
俺はエレンを殺した奴に殴りかかった。
バキィ…大きな音が響く。
ハンジが俺を取り押さえた。
「リヴァイ!!…やめろ!…エレンは…もう…」
「離せ!!エレンは…あいつは…まだ外の世界を見てねえ!!
何なんだよてめぇら!?利用するだけ利用してそれがつかえなくなったらすぐに捨てんのか!?てめぇら、それでも人間かよ!?」
「…リヴァイ…。」
俺はハンジの手を振り払って逃げた。雨にうたれて ずぶ濡れだった。さむかった。お前にあたためてほしかった。…エレン
“俺のことは忘れてください”
「何言ってんだよ。忘れられるわけねぇだろ?」
頬に涙がつたってきた。こんなに泣いたのなんて初めてだ。俺の涙は止めようと思っても止まらず、流れ続けた。
「忘れられたら、こんな苦しみ味あわなくていいんだぞ!?」
ただ…泣き叫ぶことしかできなかった。
「エレン…戻って…きて…くれよ。…もう…一人はこりごりだ。」
俺の心は…この雨のようにつめたく…切なかった。
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2015年
リヴァイ15歳
いつもどおり学校に向かう途中だった。
「リヴァイ!!!」
ハンジだ。いつもにまして興奮して話しかけてきた。
「私の家の近くにイエーガー医院っていう病院があるんだけどさ。そこにエレンっていう男の子が産まれたらしいよ!」
「 」
END