*夢*

□チームワーク
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「忍者やめろってどーゆーことだよォ!!
そりゃあさ!そりゃあ!確かにスズ取れなかったけど!
  なんでやめろまで言われなくちゃなんねェんだよ!!」




「どいつもこいつも、忍者になる資格もねェガキってことだよ」




ガキという言葉に反応したのか、

カカシに向かって走りだしたサスケ。




「あ!」


「サスケ君!!」




が、一瞬でカカシの下敷きになる。







…ガキって言葉に反応するのがガキなんじゃないのか。





名無しさんはこっそりそう思っていた。




「!!
サスケ君を踏むなんて、ダメー!!!」




サクラの声に顔を歪める名無しさん。





…耳元でギャーギャーと……




「お前ら忍者なめてんのか、あ!?
何の為に班ごとのチームに分けて演習やってると思ってる」





「え!?…どーゆーこと?」




「!」





「つまり……お前らはこの試験の答えをまるで理解していない……」




あれ、私理解してなかったっけ。




「答え…!?」


「そうだ、この試験の合否を判断する答えだ」




うーん、理解してたよね。




「だから………さっきからそれが聞きたいんです」






「チームワーク……でしょ。」




「「「!?!?」」」




「そうだ、チームワークだ」




ほら、理解してるじゃん。


センセイ酷いなぁ…


あれじゃまるで私も馬鹿みたいじゃないか。




「4人でくれば…スズを取れたかもな」





「スズ……取れたんですけど。」




「「「!?!?」」」



3人は驚いたようにこちらを見る。




「ハァ……君は例外だよ全く……」




例外ってなんだよ例外って…





「…って…ちょっと待って!なんでスズ3つしかないのにチームワークなわけェ?
  4人で必死にスズとったとして一人我慢しなきゃなんないなんて、チームワークどころか仲間割れよ!」




「当たり前だ!これはわざと仲間割れするよう仕組んだ試験だ」




「え!?」




「悪趣味。」



「……。」



「この仕組まれた試験内容の状況下でもなお自分の利害に関係なく、
 チームワークを優先できるものを選抜するのが目的だった」





「悪趣味。」


あ、2回目かも。







「これを見ろ。この石に刻んである無数の名前。これは全て里で英雄と呼ばれている忍者達だ」






…何が英雄だ。


コイツ、わかってて私の前で話してんのか?





「それそれそれそれーっ!!それいーっ!!」





「オレもそこに名を刻むってことを今決めたーっ!!英雄!英雄!犬死なんてするかってばよ!!」



「フン」




「犬…死……」















『お前の母ちゃん達は犬死したんじゃない。
 お前のために戦ったんや。
 例えそれが世界に否定されても、
 お前だけは否定しちゃアカン。ええな?』




『はい、師匠。』







「…が、ただの英雄じゃない……」





英雄…?なんだよそれ……




「へー…えー…じゃあどんな英雄達なんだってばよォ!」



「……。」







それじゃあまるで……





「任務中殉職した英雄達だ」








私の家族は英雄じゃないみたいじゃないか。





「!!!」






「これは慰霊碑。この中にはオレの親友の名も刻まれている……」












沈黙。






それを破ったのは




怒りと、哀しみが混ざりこんだ表情をした名無しさんだった。






「……そう。だからなに?」




「「「「!?!?」」」」




「##MAME1##ちゃん?何言って…!?」




「アンタの友は英雄だったんだ?
 じゃあ私の母は?父は?弟は?兄貴は!?
アンタたち木の葉のために必死で戦って死んだ
 私の一族は英雄じゃないわけ!?!?」






そこにいた誰もが目を見開いた。
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