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□明日への扉
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ルーシィが帰ってきて一か月がたち、またいつものように楽しく素晴らしい毎日に戻ったかと思われていた。

でも実際には


そうも言っておられず・・・・・




***
「・・・・なんか最近ルーちゃん変わったなあ・・・。」

レビィが、ギルドで珍しくカウンターに座りながら何とも言えない感じで呟き、それにナツが食いつく。

「!!やっぱ、そうだよなあっ!」
「そうか?」

いきなりマカオが入ってくる。

「うん!なんか・・・雰囲気が柔らかくなったっていうか・・・多少のことは動じないみたいな?」

レビィが何とか複雑そうだが言葉にすると、黙って話を聞いていたグレイが口をゆっくり開く。

「・・・・それもそうだが・・・特に目だな。」
「目?」

ハッピーが不思議そうに首を傾げる。

「今までとはちげえだろーな、あれは・・・・」

グレイが思いつめたように遠くを見ながらつぶやく。

すると突然とナツが「よっしゃ!!」と声を上げる。

「??」
「最近仕事行ってねえし、ルーシィ誘って行こうぜ!」
「うん!それが一番いいよね、ルーシィも家賃払わなくちゃだしね!」

ハッピーも乗り気らしくいつも以上に楽しそうだ。

ガタリとグレイも椅子から立ち上がり

「ルーシィん家行くか!」
「・・・・・というより、なぜルーシィは来てないのだ?」

一番気にすべきところだろう、とエルザが不思議そうに言う。

「そういえば・・・・何でだ?」










***
ルーシィは一人自分の家にいた。

「・・・・・・・う、うぅっ」

ルーシィの目には涙が溢れている。

だめ、だ・・・・

ギルドに行かなきゃ・・・・っ

でも

涙が止まらない・・・




「ルーシィ!!元気かー?」

グレイの声に驚き思わず振り返ってしまう。

あ・・・・、しま、った・・・。






グレイは振り返ったルーシィを見て固まる。

・・・・ルーシィは



泣いていた





「おい・・・・どうした・・・」
「・・な、なんでもない!ちょっと目にゴミが・・・・」

立ち上がり思わずその場を離れようとするルーシィの手をグレイは強く握る。

「何があったんだ・・・」
「・・・・・・・」

ルーシィがすごく困ったようにこちらを見る。

・・・・今にも泣きだしてしまいそうな瞳で。



突然大きな音がガタリと響く。

思わず手を離してしまい、しまったと思ったときにはもう遅かった。

「お―い、ルーシィ!仕事行くぞー!!」

ルーシィがするりとグレイの前からいなくなりナツのほうに移動していた。

「仕事?」
「おう!!」
「ていうか報酬狙いだけどね!」
「ベルベノって奴を倒すんだ。」
「ルーシィ家賃払わなくちゃいけないしね!」
「・・・・家賃ね。」

ルーシィが少し悲しそうに呟く。

「??あんのか?」
「ううん、ないんだけどね。」

ああ・・・またこの笑顔だ

なにか、隠して

困ったように

寂しそうに

ルーシィは最近の笑顔がほとんどこれだ

「なら行こう、今すぐ夜行で行かないと間に合わん。」

エルザがその笑顔に気付いているかいないか分からないが言葉を続ける。

「そう・・・すぐ用意するから待ってて。」

それだけ告げるとルーシィは部屋の奥に入っていった。

「・・・・・・・。」

ルーシィ・・・・・

グレイは心配そうにルーシィを見つめた。
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