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□明日への扉
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「・・・・・・・・。」
ここは夜行列車の中。
あたしの隣にはナツが壮大ないびきをたてて、ハッピーはあたしの膝の上で眠っている。
同じく目の前にいるグレイもグレイの隣にいるエルザも眠ってしまっている。
グレイを見ながら思う。
なんであそこで振り返っちゃったんだろうとか心配かけちゃったなとか。
だって、あの後からあからさまに元気がなかった。
あたしってほんとに・・・・
「・・・・・・・・。」
そして脳裏によぎる一人の男。
「・・・・っ」
だめ、今泣いたら流石に隠し通せるようなもんじゃない。
必死にこらえながらもでも涙が止まらない。
思わず両手で顔を覆う。
「・・・・・アラン・・・ごめんなさい。」
この、ルーシィが呟いた謎の男、アランというものがこの物語を大きく左右する重要人物である。
***
爽やかな太陽の光がナツの顔を照らす。
「お!!朝か?!」
「うん、もうすぐ着くよ。」
ガバリと飛び起きたナツに向かってルーシィが答える。
「・・・・・・・。」
?!
いきなりナツがルーシィのほうに顔を近づける。
「え・・・・なに・・・・?」
「お前、寝てねえだろ。」
「?!」
う、そ・・・ばれた?!
「ルーシィ、寝ないのは体に悪いぞ?」
「そうだよ、お肌に悪いよ?」
「はは・・・・そうだね。」
力ない笑顔でルーシィが困ったように笑う。
「わっ・・・」
そんなやり取りを見ていたグレイがルーシィの頭をペシッと叩いた。
「なーにやってんだ、お前は。少しでも寝とけよ、まだ時間あるだろ?」
「・・・・グレイ・・・。」
いつでも、どんなときでも優しいグレイに心を打たれながらここで素直に聞いとかないとという感情もたちこみゆっくり目を閉じた。
「あーあ、ジュビアが泣くよ?グレイ。」
「あ?何でだよ。」