Dream

□L○NE
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あたしは今、たった今失恋をした。

あたしの好きな奴は同じクラスのうるさい西谷夕。

西谷とは最近席が隣になって、ようやくLINEのIDを交換した。

それだけで嬉しくて調子に乗ってたんだ…。

まさか西谷に好きな人がいたなんて…。

そう。西谷のこの文章!


聞いてくれ!俺、今絶賛好きな奴とLINEしてるんだぜ!すげぇ嬉しい!


……



あたしに言う必要あるのかね。
嫌味ですか。
何なんですか。


○ね!
西谷なんて絶滅してまえ!


でも惚れた弱みだよね…。


良かったじゃん!
応援してるよ(^○^)


なんて送っちゃうのはね。


それから西谷から

おう!がんばるぜ!

ってきて、返信する気もなくなった。
もうここは既読無視だな!って思って、西谷には悪いけど既読をつけて寝た。


好きな子と上手く言ってるのかなーって思うと、胸が苦しくなった。




次の日……




なんだかんだ涙が止まらなかった昨日。


西谷とちゃんと話せるかなー。
(多分)テンションが高い西谷にちゃんとリアクションできるかなー。

むしろ、こんな赤く腫れた目西谷に見せられないなー。なんて考えているうちにもう教室についた。


会わないように…なんて願っても隣の席だから無理だけど、出来るだけ顔を合わせたくない。

そそくさ自分の席に着く。

「…おい。おい!」

聞き覚えのある、あたしの大好きな声が聞こえてくる。
…やっぱ訂正。
今は大嫌い。

「なぁに?」

目を合わせないまま返事をした。

「昨日、なんで返信くれなかったんだよ…!」

…なんか機嫌悪い?
口調がいつもより荒々しい西谷に疑問を感じた。

「気づいたら寝ちゃってた!」

好きな人にヤキモチ妬いたなんて下手しても言えない…。

そんな私の言い訳をきいて

「…そっか。悪かった。」

なんてやけに聞き分けよく納得して引き下がる西谷。

その後、聞く気なんて全く無かったのに思わず聞いてしまった。

「あのさ!西谷の好きな人って誰っ!?」

目をパチクリする西谷。
やっちまったって思ったわ。

「や、やっぱそんなの教えてくれないよね!ごめん…」

教えてもらっても、あたしが悲しくなるだけか…。
そう思って勝手に終わらせようとしたとき…


「…今、話してる奴!!!」


頭が真っ白になった。


「俺、昨日すっげぇ嬉しかったんだ。名前とLINEできて!
だけど、返信こなくなって、焦って…。ごめん。俺自分勝手で!」


一気に沢山のことを言われても理解出来ません…

ただ…ただ、

「西谷が他の子に取られちゃうと思った…。」

嬉しさと安心で、やっと緊張が解けた。


「ばっ…馬鹿!泣くな!俺は名前の事しか考えてなかったぞ!?」

オロオロしながら恥ずかしいことをいう西谷。


「…西谷。あたし昨日、西谷の好きな人にヤキモチ妬いたの。返信しなくてごめんね?」


その瞬間西谷は真っ赤な顔で力いっぱい抱きしめてくれた。


もう離さないよ


(西谷…ここ教室だし、皆の視線が…痛い…)

(はっ///)



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