Dream

□テスト
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「ぬぁぁぁぁ!今回のテストでは赤点はとるまいぃぃぃぃ!」



放課後の静まり返った教室で一人叫ぶ者いたり。
私の頭は多分人並みにはある。多分。
だけど・・・だけど・・・



「数学だけはできん・・・!」


「なぜ!?なぜなの!?神様はなんで私に数学の知識をお与えにならなかったの!?」


一人自問自答の繰り返し。
あと一週間しかない・・・。救世主でも舞い降りてこないだろうか・・・
そんなことを考えていたとき。



「あれ?変な声聞こえると思ったら名前じゃん。」


「・・・菅原、くん?」


・・・なぜこんな切羽詰まっているときに爽やかイケメンがくるのぉぉぉぉ!



「今日部活早く終わってさ〜。教室に忘れ物取りにきたんだよ。したっけ変な奇声が聞こえてくるし笑」



ガタッ



「・・・ハイ!アウトォォォ!」


!?


はっ!やってしまった。
心の声が心の中では収まりきらなくなってしまった・・・!
どうする、どうする!

やらかしにやらかしてしまった私にはもう平静を装う術などなかった。




「・・・っぷ。」



「!!」


「あはは。名前ってめっちゃ面白いのな!俺の中では静かでさ、大人しいイメージだったんだけど!」



真逆の私像を言い出した菅原くんには心底びっくりした。


「えー・・・私そんなイメージなんだ!ごめんね!真逆で!」


驚きが言葉に出てるぞ、私!ビックリマーク付けすぎだぞ!



「いや、こっちの名前のがすごく新鮮でいいよ。笑」



・・・笑いながら褒めてくれている?
菅原くんはとてもキュートだ。



そんなこんな話をしているうちになんの勉強をしているのかときかれた。



「・・・数学なんだけどね、その、いつも赤点だからさ・・・」


「え!?学年でもいつも上位にいるよな!?」


「へへ・・・実は数学だけはどうしても出来ないんですよね。」


恥ずかしくて菅原くんの目を見れない私。

「よし!俺が数学教えてやるよ!一緒にやんべ?」



???



頭にクエスチョンマーク。
何が起こった?このイケメンで爽やかで優しい菅原くんが数学を教えてくれるって?え?うそ?


「・・・」


嬉しすぎて言葉がでない私。



「俺じゃぁ駄目かな?」



特徴のある眉毛を下げて私の顔色を伺う菅原くん。



「あっ!ちょっと嬉しすぎて言葉がでませんでした!菅原くんが
教えてくれるならきっとテスト100点取れるよ!」


イケメンパワーで!!!!!
それは口には出さないけれども



「・・・そか!じゃぁ明日から勉強なー!」


そういって颯爽と走っていった菅原くん。


「・・・忘れ物、取りに来たんじゃないのかな?」



   忘れ物だなんてただの良いわけ


(このチャンス、絶対手に入れてみせんぞ!)


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