カップリング小説

□焦る気持ち
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「んんー好き好き好きー」
猫のように体をくねらせ、目をとろんと溶かし頬をぴんく色に染めながら俺の腕に顔をスリスリと擦り付ける



「あのぉヘソンさん…?」


ヘソンの身を剥がそうと起き上がろうとするが背中に腕をまわされ力一杯にぎゅうと抱きしめられる


「やらぁやめてよ!」
「はい…ごめんなさい」



素直にあやまるとさらに機嫌を良くし、目を細めながらさらに頬を擦り付ける

もちもちとした白い肌が俺の腕に何度も何度も擦り付けられる

吸い付くような肌は心地がいい
かすかに鼻奥をかすめるヘソンのシャンプーの匂いにキュゥンと胸が鳴る



「かっこいいなあ 大好き〜かっこいいよぉエリぃ〜」



今日は本当にどうしたんだ?



可愛い恋人にこんなこと言われたらたしかに嬉しいのだが…

普段のヘソンからはまったく想像できない



もしかして酔っているのか…?


いや、今日は一度も飲んでいないはず

どうしたんだ…いったい


「ヘソン、今日はやけに素直だね?」


「す、素直…?俺、素直かなあ?!」



大きな目をさらに大きくし、鼻息を荒くしながら食いつくように俺に答えを求める


「あぁ、素直だ…今日は、な」
俺が答えるとすこし不安そうな顔をして



「い、いつもも素直!俺素直だよ!ねっ?」


…ヘソンにとってはアレが素直なのか…。
番組中に抱きつくと照れて逃げたり
ちゅうしようとすると怒ったり…
す、素直なつもりなねか…



「…?そうか…まあ、ヘソンがそう言うなら…」

「だよね?俺はちゃあんと素直だよ」
ホッとしたように肩を撫で下ろし

また俺に甘えだす







なんだか今日はようすがおかしい


どうしちゃったんだ、ツンデレがトレードマークのヘソンがやけに素直すぎる




風邪でもひいてるのか…?



そんな考えが頭のなかによぎった


俺は心配になり、
ヘソンの額に手をあてがい熱がないか確かめた



「なっなに?!」
いきなり額をさわられびっくりしたのか、ヘソンはがばっと顔をあげ、眉をつりあげる



「い、いや、風邪でも引いたかなって思って…」
「ち、ちがうよバカ! 勝手にさわるな!」


いきなりいつものヘソンに戻り、びっくりもした
だけどいつも通りのヘソンが一番落ち着くな…

あぁ、いつものヘソン…
おちつく…



そんな俺の気持ちををしらないヘソンは慌てて眉を八の字に下げ必死な顔つきになり口をひらく



「ご、ごめん!なんでもないよっ!ちょっとびっくりしちゃったの!」





…可愛いな…
いや…
可愛いけど…




俺はいつものヘソンがいい

「なあヘソン。どうしちゃったんだよ。俺はいつものヘソンがいいんだ」
俺は決心してヘソンに問いかける



真面目な顔の俺にヘソンは一瞬、驚いた顔をしながらも

息をすいこみ、ゆっくりと話し出した
「だって…エリックが言った…。インタビューで…好きなタイプ聞かれたとき…素直な人がタイプだって…」

子供のような口調でぼそぼそと告白するヘソン


たしかに今日、雑誌の取材で好きなタイプを聞かれて…

それに「素直な人」と答えたが…



それはインタビューが面倒くさくて適当に答えていたからで…







それにしてもなんだ俺の恋人は。
可愛いすぎるだろう
俺を殺す気なのか?



真っ赤な顔をしたに向け、かすかに涙を浮かべながら震えている。


「それで、不安になっちゃったの?」
ふるふると小さく震えながら

こくんと頷く。







だ、だめだ。可愛いすぎるにもほどがある。
いますぐでも襲いたい衝動を押さえつけ、ヘソンの頭を撫でてやる


「大丈夫だよヘソン。たとえお前が素直じゃなくても俺にはお前しかいないよ」


なるべくヘソンを安心させるよう微笑みながら優しい声で






「エリック!エリ、エリっエリック大好き…よかったぁ…」


ひどく安心したのか、体当たりをするかのように俺に抱きつく


少し苦しいくらいな強さでぎゅうぎゅうと俺を抱きしめる




苦しい…




少しも力を緩めようとしないヘソン、


まあ可愛いからいいとするか…








それからというものエリックは、
好きなタイプを聞かれるインタビューのたびにヘソンの性格とは正反対の性格を言うのでした。
ちゃんちゃん♪

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