インフルエンザ・・・(完結)

□第1話
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【インフルエンザ】


〜鬼龍院さん目線〜


鬼「あれ?所さーん、喜矢武さんは?」


いつもと変わらない控室。
今日はテレビの収録のため、テレビ局に来ていた。
喜矢武さんは家が近いという理由で個別で集合する事になっていた。


が、しかし…その喜矢武さんがなかなか来ないのだ。
事故にでも遭ったのだろうか…。
心配で何だか心臓が早くなる。


僕と喜矢武さんは、付き合ってはいない。
でも、お互いに好意はもっていて何となく一緒に居る時間が長い。


かと言って、今更付き合いたいとも思わないし、今のままで十分なのだ。
なぜか、お互いに恋人も作らずにいる。


喜矢武さんに連絡をしていた所さんが控室に戻ってきた。


所「朝からスゴイ高熱なんだって…ちょっとスタッフさんに話してくるから、待ってて」


そういえば、昨日帰り際に、頭痛いって言ってたような…
控室にあるテレビでは、インフルエンザの猛威が日本を襲っている!とアナウンサーが言っていた。


まさか…インフルエンザって事はないよね…
でも!でも!!今、すごく流行ってるし…


居てもたってもいられなかった僕は、こっそり喜矢武さんにLINEした。
ほかのメンバーは喜矢武さんのLINEを知らない。
僕が無理矢理、便利だからとやらせたのだ。
だから、喜矢武さんのLINEの友達は僕ひとりだけだ。


翔LINE
「喜矢武さん、風邪?大丈夫?」


すぐに既読はついたが、なかなか返事が来なかった。


所さんが控室に戻って来て、今日の収録は延期になったと聞かされた。
喜矢武さんが、自力で近所の病院に行った事も聞かされた。


収録が延期になってぽっかり空いたスケジュール。
今日は、他に仕事は無かったため、急遽オフとなった。


所「鬼龍院さん、心配かもしれないけど、お見舞いとか行っちゃダメだよ。インフルかもしれないんだから」


わかってるよ…と返事はしたものの、内心、喜矢武さんが心配で解散したらその足で病院に向かおうと思っていた。
自分にインフルエンザが移るのも怖いし、周りに迷惑がかかる…でも喜矢武さんが心配なのも事実。


一向に喜矢武さんからのLINEの返事は来なかった。
すでに、解散となって淳くんや研二さんは帰ってしまった。
僕も、帰り支度を終え、テレビ局からタクシーに乗った。


その時だった。
いつもの聞きなれた着信音がタクシー内に響き、僕は急いで携帯を取り出した。
喜矢武さんからのLINEが3通。


豊LINE
「わりぃ」
「インフルなっちゃったww」
「翔も気をつけろよ」


僕は、無意識に運転手さんへ行き先変更をお願いした。
タクシーは交差点で方向転換すると、喜矢武さんの家へ走りだした。

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