one piece

□secret reunion
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快晴。
海も穏やか。


頭上には、かもめが鳴きながら旋回している。
本当にここが新世界なのか疑いたくなるほどのいい天気だ。


(穏やかね)


さあ、と自身の頬を撫でていく風に、
ロビンは空を仰いだ。
ゆったりとした航海に、ロビンは甲板にいる一味の面々を眺める。

みな思い思いにゆっくりと過ごしているのを横目に見ながら、ロビンは進行方向に目を向けた。

「あら?」


そこには、小さな島影が見えた。


「ナミ、ちょっと来て」
「なーにー?」

「島影が」
「島影ぇ?」

ロビンの声に、甲板に広げた木製のビーチチェアに寝転がっていたナミが飛び起きた。


「どこ?」
「船の正面よ」


す、とロビンが指をさす先には、ロビンの言う通り島影が見えていた。

「ん?おかしい。」

はじめは驚愕の色に染められていたナミの表情が、一気に疑いにかわる。


「ログポースが何も反応してない。」
「そんなことあるの?」

ナミの声に、ロビンもナミの手首についているログポーズを覗き込む。
ナミの言う通り、三つの指針があるログポースは、変わらずに指針を向け続けている。


「んー…、ふつうこのぐらい近くにいればどれかの指針がその島を向いてもおかしくなさそうなんだけど」
「…幻影かしら?」

「それはないわ。気候的にも蜃気楼の類が出る気候じゃないし。」
「そう…」


二人が頭を悩ませていると、ルフィが明るい声とともにナミのもとへ飛んできた。


「ナミ!島だ!上陸するぞ!」
「駄目よ!様子がおかしい」

「おかしい?ってどうかしたのか?」
「ログポースが反応してないのよ」

「それの何がおかしいんだ?」
「島の磁力の話はしたでしょ!?」

「んー…。不思議島ってことか?」
「平たく言うとそうね」


ルフィの問いに、ロビンはくすくすと笑いながらそれに答える。


「じゃあすぐ上陸だっ!」


ルフィがにっかりと笑みながら言うと、何か言いたかったナミも、溜息をひとつついて両手を振った。


「上陸準備ー!」



高らかに宣言されると、麦わらの一味はぞくぞくと動き出した。









「…島だわ。」

指針にあらわれないその島に近付くと、
ナミは唖然として呟いた。

そこは、本当に島だった。
小さいようだったが、きちんと整備された町もある。


「そのようね。上陸する?」
「ええ。情報収集してくるわ」

「そうね…、私も降りようかしら。
遠くに遺跡が見えたわ。行ってみたいの」


個々に島に降りるかどうか話をし、上陸するメンバーが決まった。
ナミ、チョッパーが情報収集。
ルフィ、ブルック、ウソップ、サンジが観光と買い出し。
ゾロが船番。
そして、ロビンとフランキーが遺跡探索となった。


「ロビンちゃん、本当にお供がこんな変態でいいのかい?」
「ふふっ、ええ。フランキーならもろい場所があっても足場も作ってくれるでしょう?」


遺跡探索についてはロビンは夢中になる節がある。
臨機応変に対応できるフランキーがいた方が楽なのかもしれない。
サンジもそう思ったのか、残念そうな表情をしたものの、そのあとは大人しく浮かれた様子の仲間たちと町へ歩いて行った。


「さて、行きましょうか、フランキー」
「オウ」





 その遺跡は、森の奥にあった。
鬱蒼とした木々たちを抜け、少し小高い丘にあるそれは、先住民たちの暮らしていた址であるようだった。


「…民家…か?」
「そのようね」


建築の知識があるフランキーにも、それが分かったようで、フランキーも興味深そうにその民家たちを撫でていた。
その様子を見たロビンは、やはりフランキーをお供にしてよかったと笑みを浮かべた。


「興味ある?」
「ああ」

「私、もう少し奥へ行ってみるわ」
「アウ、後から追う。気ィつけろよ」

「ええ」



ロビンは、慎重に歩きながら、遺跡たちを進んでいく。
奥に進むたび、何か宗教的な遺跡が多くなっていくようで、ロビンは何があるのか楽しみにしながら歩みを進めた。






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