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□ある昼下がり。
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久々の休日。
環が来ていたが、どうしても読み切ってしまいたい本があったので、環の話を聞き流しつつ本に没頭していた。
どれくらいの時間そうしていたのだろう。
ふと、静かになったと思い横をみると、環が肩により掛かって眠っていた。
どうやら隣で話していたが話し疲れてそのまま眠ってしまったらしい。
本に没頭していたとはいえ、寄りかかられてることに気づかなかった自分に苦笑する。
相手をしてやればよかったかと思う反面、この寝顔が見られてよかったと少し嬉しく思う。
「…っん…鏡夜…?」
小さく身じろぎしてゆっくりと目を開ける
「…起きたか」
そんな恋人をみて思わず笑みがこぼれた。
「…夢にな、鏡夜が出てきたんだ。」
そううれしそうに話す環。
「なんか幸せな夢だった。」
内容はあまり覚えてないけどね、と笑う。
その笑顔がとても愛おしくて思わず抱き寄せて、額へとキスをした。
たまにはこんな休日も悪くないな。
そう思った休日の昼下がり。
080324 加筆