小話

□TF4
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*注意*
・いい801の日なので。
・実写2の後、3直前くらい。
・2の後にディーノが来た感じ。
・ジョルトがオオゥ済み。
・サイドスワイプとジョルトの間には何かあってもなかってもいい。
・唐突に始まって唐突に終わる、文字通りの801。






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先に地球に降りたと聞いていた同朋の数と、現に目にした同朋の数が合わない。ディーノは首を巡らせて、答えを知っているであろう、傍らにいる銀色の小柄な戦士に問いかけた。

「そういえばジョルトはどうした。あの落ち着きのない青二才」

お前と一緒だっただろう。そう問うディーノへ、サイドスワイプはゆるりと顔を向けた。

「あいつは、」

言いかけた言葉がふと途切れる。躊躇するような微妙な間を訝しんだのは当のサイドスワイプの方で、戸惑うように眇められたアイセンサーをふいと逸らした気弱げな動きに、ディーノは初めて今の間の不自然さに気がついた。

「何だ」
「いや」

少し考えるような間があったが、すぐにサイドスワイプは何事もなかったように、いつもと変わらない表情で、昨日の天気を答えるみたいにあっさり告げた。

「あいつはもういない」

訝しんだのは、今度はディーノの方だった。正確にはその言い回しに、平坦すぎる物言いに、違和感を感じた、ように思った。死んだでも殺されたでもなく、いない。単に事実を述べている、が、それ以外の何かも含んで押し殺したような。

…こいつはこんな風な話し方をする奴だったろうか。

ディーノの記憶にあるサイドスワイプは、冷静ではあるけれども敵を切り裂き引き倒す高揚感や興奮は隠そうとしない奴だった。それは戦場以外でも同様で、自分を律することは知っているからあの双子みたいに態度や行動にまでは出さないけれども、不満も喜びも怒りも、話す言葉と声色にははっきり現れる奴だった。今みたいな、感情の読めない話し方を、ディーノは聞いたことがない。

彼が押し込めた感情は何だ。

けれどもディーノはそれ以上を聞くことはせず、「そうか」とだけしか返さなかった。何しろジョルトが死んだという情報は知りえたし、それに付随するサイドスワイプの感情など、聞き出そうとしてもろくに答えが返ってくるとも思えないからだ。なんとなく、そう思った。
それに自分が知ったところで、きっとどうすることもできはしないのだ。

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文字通り801。20110801



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