□わかむらさき・弐
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 明りを落とした部屋の中、寝台の軋む音がやけに大きく耳についた。
 見上げてくる濡れた瞳は不安に揺れて、何ともそそられるものがある。しかしあえてそれには気付かぬふりで、カンベエはなるべく無感情に首筋に唇を寄せた。触れた瞬間に組敷いた身体がびくりと震える。酷く緊張しているのを感じ取って心の内で苦笑するが、態度には出さずに行為を続けた。
 滑らかな肌をちろりと舐め、それからきつく吸い上げる。幾度かそれを繰り返し、身を離すと白い肌に紅い痕が点々と散っていた。扇情的なその様にまたくらりとするが、どうにか耐えて手を伸ばし金の頭をくしゃりと撫ぜた。
 シチロージは緊張が解けたか、情けない顔で詰めていた息を大きく吐く。その姿は年相応のもので、つい小さく笑みがこぼれた。

 
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