Merci beaucoup!



ほったらかしsite…brillanteも
おかげさまで70万打させていただくことができました
いままですっとばしてきましたが、こんなサイトでもいまだに閲覧していただいてる感謝を込めて!
しかも絶賛オペラ編最終回後のはなしになっていますので
コミックス派の方は…おきをつけください…
そして少々下品です
置いて逃げます

まるでナマケモノ並のスピードではありますがのだめが大好きな限り続いていくbrillanteをよろしくおねがいします


































「総額70万くらいだと思うんですよ」


会話と会話の話の中に
金の話は無かった筈なのに、と千秋は頭の先の先まで考えた
今までロマンチックで
かつべたべたで甘い恋人…改めまして婚約者と
何を話していたかって言えば
(先輩)(何)
だなんて、他人の誰からも見せられないただの名前の掛け合いをしていただけであって
多分冷静かつストイックな千秋の感情からしてみれば…身体中に虫が這いつくばるような気持ち悪さであるにも関わらず
現に今、さっきの2分前まで行動に移していたのだ。…行為の後の余韻を残して。
ぐるんぐるんにシーツに包まれたのだめには
千秋の知る限り、身に着けているものは無い
全てをはぎ取って
全てを見て
ひとつだけは、残してきたけど。



「千秋先輩のお給料、まぁ安月給だとして…でもそこそこに預金はあるはずなんですよ、ルノーを衝動買いしちゃうくらいなんですから。多分これもその域に入るとしても一応婚約指輪ですし、形だけは異様に気にする先輩ですから…まぁ車差し引き基本給プラスのだめの愛情プラス世間体を合わせたら………70万てとこでどうでしょ?」





しまった
どうせならこれも外しておくべきだったか!と顔色が濁る
千秋は嘘がつけない
人生で嘘を吐く必要性がなかったからだ。
試験でだってSは当たり前だったし
音楽では嘘をつける術が無い
過去の恋人を他人に隠す必要も感じなかったし(指摘されるまで言う必要も無いと思っていた)
のだめと出会ってから知った。
嘘をついた方が円満に事が進むことに。



「あー……………ぅん、そうじゃない?」
「…………真一くん、今嘘吐きましたね…」




すいません
本当は99750円です
しかも65100円のと迷ってました。
下手をすれば彼女の希望の10分1になってしまう焦りを
千秋は隠す術を持っていない。
なるべく今まで愛しいと見ていた顔を見ないように、と反らしても
彼女はどっこいとんでもないところをぎゅっと握って話題を変えさせなかった。


「いっ………!!!ッテメ…どこ握っ…!!!!!」
「真一くん…本当はおいくらなんですか?じゃないとずっとこのままデス」


残念なことに、千秋ものだめによって全てのものを失っていた。
のだめのように指輪もなければ彼女以下だ
のだめの手の中で支配されている情けなさは
怒りを通り越して無気力にさせられる



「真一くん?」
「……握んな…痛い…」
「そんな力込めてませんヨ?」
「ふざけんな!犯すぞ!」
「ふーん!今やのだめが有利デスけどね」



腹の上に乗せられたのだめの左手の指輪が当たって
千秋の腹にミミズ腫れのように赤くなった
段々なくなった理性に
ぷちんと切れる前に
がしりとのだめの乳房を掴んで
油断したところで押し倒す。所詮はのだめも女だった。




「むっきゃ!?むきゃーーー!!!」
「人の大事なとこ掴みやがって…絶対泣かせる。」
「未来の花嫁にそんなことしていーと思ってんですか!」
「お前が花婿にしたのは帳消しか!?」







押し倒すと無言になってしまった
やっぱりお互いに見ると、(綺麗だ)と思うのは
未来の相手だからか、と




「…愛情はそんくらいあるから」
「70万円分?」
「欲しけりゃ……いくらでもくれてやる」





千秋は嘘が吐けない
これも本心のつもりでいて
例えば似合わないと笑い飛ばされても、のだめの唇を塞いで無理矢理止めるつもりでいた。




「…似合わないデス…」
「何が」
「まだ、夢みたいなのに…」
「どこから」
「チェレスタ頼まれた辺りから…」
「…なげえよ」




ぷっと吹き出すと
夢じゃない証拠にがぶりと首筋に歯を立てる
痛いと言われても、立ててやる




70万円も
チェレスタも
花嫁も
今も
もう夢ではないことを教えるために

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