星のカービィ

□仮面の真実
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今日の朝は何かが違う。

部屋の中がいつもより明るいのだ。

私の部屋は、全体的に和風にまとめてある。

洋風な城の中なので少し無理があるが、うまく統一している。

電気は裸電球なので少し暗いはずだ。

それと仮面で視界が僅かに遮られているはずだが、今は見事にOPEN。

ふと不安になり、自分の顔を触った。

しかし―


「・・・仮面がないっ!?」


冷たい鉄の感触を期待したのだが、触ったのは、自分の素肌だった。


すべての引き出しを調べた後、スペアの仮面は持っていないことを思い出した。

部屋の鍵を厳重に閉め、カーテンも締める。

外に出る訳にはいかない。

もう一度部屋の中を探すのと同時に、昨夜のことを必死に思い出そうとした。

…そーいえば、カービィが好奇心で私の仮面を取ろうとしていた気がする。

もしカービィが犯人だとして、取り返そうにもこんなに朝早くに城に居るはずがない。

私は思わず頭を抱えた。


  トントン


「メタナイト卿、いる?」

部屋の前にフームが来た。

普通なら喜ぶべきことだが、今はまずい。

非常にまずい。

だが、いつまでも黙っている訳にはいかないだろう。

私は腹をくくってドアに近づいた。

「フームか・・・?」

「えぇ。大切な用事があって来たの。」

「大切な用事?」

「あなたの身近なものがなくなったりしていない?」

フームの言葉には、僅かにからかいが感じられる。

癪なので、わざと分からないフリをした。

「身近なものとは?」

「例えば・・・仮面とか。」

「!!何故そなたが知っているのだ?」

「それは、私が今持っているから♪」

それを聞いて危うくドアを開けそうになったが、寸前のところで思いとどまった。

素顔にかなりコンプレックスを感じている私は、仮面を付けないで人前に出ることが嫌いなのだ。

一度大きく深呼吸すると、ドアの向こうにいるフームに尋ねた。

「何故フームが持っているのだ?」

「ブンとカービィが取引しているのを中断させて返してもらったのよ。」

…やはりカービィか…。

ブンの指示でやったのだろうな。

「フーム、それを返してくれないか?」

「いいけど、あなたが出てこないと返せないわ」

「・・・・・・;」

確かにそうだ。

しばらく考えると、ドアの隙間から手を出した。

フームは苦笑すると、仮面を返してくれた。

「すまない…。」

「いいのよ。それより、何で仮面をカービィに取られたの?いつものあなたならありえないことよ?」

「それが…。私が眠っているうちに取られたらしい。」

ドアの向こうから苦笑している気配が伝わってきた。

仮面をつけたことを確認すると、ドアをあけた。

「えっ…?」

「…ッ!」

ドアに全体重を預けていたらしく、フームがこちらに倒れてきた。

私はとっさに手を伸ばし支えようとした。


しかし―


  ドンガラガッシャン


体格の差から、一緒に倒れてしまった。


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