His long life
□第一章
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山崎退、16歳。
部活は現在ミントン部の助っ人のみで、2ーAに在籍していた。
春。進級シーズンとはいえど、高1から高2に変わることに山崎はさらさら興味がなく、最初のHRでついぐっすり眠ってしまったことが全ての始まりだった。
地味に寝ていたつもりだった。
本人としては地味なことにかなりの自信をもっているくらいだった。
ばれないように、なるべく紛れるように。
ところが・・・。
「山崎君」
優しい、でもしっかりとした声で名を呼ばれ、山崎は視線を上げた。
死んだ目と低いテンションで有名な新担任坂田銀八と目が合った。
「俺のHRで眠るなんて、良い度胸だねー」
「あはは・・・」
ひきつった笑みを向ける。
まさかばれるとは思わなかった。
1年の時は実際にばれなかったし。
どれだけの観察力がこの腐った瞳の奥に隠されているのか・・。恐るべし坂田銀八。
「はい、山崎君風紀委員決定」