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□君という光
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そんなブン太の姿がとても愛おしい。
幸村「ブン太…?」
ブン太「お前、やっぱり無理してるだろぃ?」
ああ、やっぱり君は気づいていたんだね。でも、君に心配はかけたくない。
幸村「そんなことないよ。ブン太「嘘なんてつくな!」
ブン太の声が部屋中に響く。
ブン太「俺は騙せないぞ。いつもより顔色悪いじゃねぇか。」
幸村「…っ。」
言い返せなかった。ブン太があまりにも悲しそうな顔で俺を見るから。
愛しい人の悲しい顔を一番見たくなかったのに…。
ブン太「無理すんなよ…辛かったら言えよ…。」
幸村「ブン太…。」
ブン太「お前のこと、一番見てるのは…俺だろぃ?」
幸村「…ブン太っ!」
たまらずブン太を抱きしめる。自分のできる限り強い力で。
あたたかい。この温もり。我慢していた俺の心を溶かしてくれるこの温もり。
幸村「ブン太…本当にお前は…。」
言葉が続かない。そんな俺に、ブン太は何も言わずに抱きしめ返してくれる。