境界の彼方:完結

□群青
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季節が春から夏に変わる準備期間

まだ桜が散りきらない今日もいつも通りの朝をむかえた

「お疲れッス!」

「おーお疲れ」

着替えを済んで部室を出て行く先輩に挨拶をする
空士が通っている学校の野球部は大して強くはない
けど、朝練はするほどのやる気はあるみたいだ

着替えながら仲間とたわいもない話をしていると換気のために開けていた窓から
妖夢に憑かれた人が前を通った

「……」

「どうかしたか桜庭?」

「あ、いや…何でもない」

素早く着替えを済ませ幻術で自分をつくり本体の俺は妖夢憑きを追った



「とりゃ!」

幻術で作った三つ叉の槍を振り妖夢を倒した
幻術に更に力を加えると実態を持つようになる
カメラでさえも騙せるくらいだ

妖夢が妖夢石となりそれを回収
下宿先の家主である彩華は昨日遅くて出る頃はまだ寝ていたから
部活の後に鑑定してもらうことにした

校門前まで来ると秋人、美月、栗山さんがいた

「おーい秋人」

呼ばれたことに気付いた秋人は振り返り空士を発見した

「あれ空士?朝練は?」

「まさか秋人のみに反応するアンテナが反応して
抜け出したのかしら?」

「…無いからそんなアンテナ、
練習終わったあとに妖夢憑きを見たから倒しに行ってただけ、ほら」

美月の冗談に適当に返しさっき倒した
妖夢の妖夢石を見せた

「あら、ほんとうだったの」

「信じてなかったのかよ!」

それからタイミングを見計らい幻術の空士を消して
自分は何事もなかったかのように教室に戻った

後で休み時間にニノさんに呼び出された
内容は朝倒した妖夢を狙っていたらしい

(ニノさん…早いもの勝ちです)

口に出すと後で面倒ごとになりそうだったから心の中で呟いた
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