境界の彼方:完結
□カーマイン
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この世に人の数だけ物語が存在する
友情・愛情・恋愛・憎しみ・怒り・嫉妬
内容様々だ
神原秋人には秋人の、名瀬美月には美月の、
名瀬博臣には博臣の物語がある
そう、彼にも
桜庭空士にも物語がある
桜庭空士は神原秋人と同じ様に半妖だ
彼も幼い頃は異界士から命を狙われて逃げ回る日々があった
だが今は秋人と同様に名瀬家が管理してる町で
”普通”の人間と変わらない学校生活を謳歌している
放課後には野球部で汗を流している
部活が終わり着替えようとしたら
携帯に着信を知らせるライトが点滅している
携帯を手に取るとメールだ、差出人は秋人から
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To:秋人
件名:大至急!
本文:練習が終わったら直ぐに屋上に
来てほしい
頼みたいことがある
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メールが来た時間を見ると今から10分前のようだ
空士は直ぐに荷物をまとめ着替えずに
屋上へと向かった