短編集

□不器用な君の腕の中で
1ページ/4ページ

暑い。
夏が暑いのは当たり前だ
寒い夏なんて想像ができない
今日も快晴とは言い難い曇天だ、しかし選手達より
楽なジャージでマネジとして働いた俺も
おかけで髪が汗で濡れてしまった

道具類は倉庫にしまうが
監督が自腹切って買ったピッチングマシンで場所を取り
溢れたボールやバットなどは部室にしまうことになっている

『じゃあ篠岡おれはこっちを片づけるよ』

「うん、ありがと十戸君」

篠岡は練習後のみんなが食べた後のお盆とかを洗いに行った
残った俺は道具類を片づける事にした
みんなはもう着替えていたが
阿部は手伝うと言ってきた

断ろうとしたけど最近阿部は俺を避けている感じだから
この際に理由を聞こうと思った

『じゃあそっちのボールを持って』

阿部は「分かった」短く言って付いてきてくれた

野球部の部室はプールのしたにあり日当たりが悪く
よくカビの臭いがする。
定期的にオレが掃除をしているが近い内に掃除しようと思った

『んしょっ…これで終わり、と…阿部この際だから聞くけど
俺何かしたか?』

持っていてくれたボールを阿部から受け取り気になっていることを
聞こうとドアの近くに立っている阿部に振り返った

「は?なんで?」

阿部は虚を突かれたのか少し驚いている

『ここ最近阿部が俺を避けている気がして‥
なんて言うか…いつもより態度が変な気がするから』

「べ‥別に避けてねぇよ、ただ…」

顔を下に向けて阿部は喋らなくなった
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ