境界の彼方:完結

□群青
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それから弁当を食べ終えた俺は文芸部部室にいるから芝姫の選考を
チャイムが鳴るまで黙々と作業した

博臣は眠いといって出て行った
放課後になり俺は野球の練習をするため部室に向かった

流石に練習には慣れたけど量が多く
いつものように疲れた身体を引きしづりながら
家路を歩いていると踏切の先に秋人たちを見つけた

「おぉーい、鑑定そんなに長かったの?」

「おぉ空士か、ってかなんで開口一番に鑑定なんだ?」

「異界士二人が揃って家の方から出てきたら
十中八九鑑定だから」

俺が世話になっている彩華は妖夢の鑑定をさしている
異界士協会公認だからみんな此処に鑑定に来る

「残りの1・2はなにかしら?」

「喫茶店の客として?」

「な、何故疑問系?」

俺の予想、っと言うよりはほぼ確定だったようだ
″ほぼ”なのは秋人に来た母親からの便りを
見るためだそうだ
そのあたりは美月が代弁していて
栗山さんは「不愉快です」と呟き
息子である秋人は顔を手で覆い小さくうずくまっていた

(こりゃあいつか見たいな)

と心の中で思ったけど、顔に出ていたようで秋人の顔は見る見るうちに青ざめていった

秋人たちと別れ家に入り彩華に早速鑑定を頼んだ金額は二万円

「確かに雑魚だけど好戦的だったよ?」

「空士、虚ろな影を知っている?」

やはり妖夢が凶暴化しているのは虚ろな影の
影響のようだ

「あぁ知っている、博臣か聞いた。やっぱり妖気にあてられて?」

「そうだろうねぇ、空士も気おつけぇな」

「あぁ、分かった」
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