短いの

□愛のことば
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広くて大きな背中に、ぎゅう、と抱きついてみる。あったかくて、広いがっしりとした背中。そんな背中に抱き付いてみると、何となくだけど落ち着く。石井さんは、急に抱きついてきた私に不思議そうな顔をしてちょっとこっちに顔を向ける。



「どうした?」

『ん?ちょっと抱きつきたかったから』



私は石井さんと話すとき、ちゃんと目を見て、口を動かして話す。最初のときは緊張して中々石井さんの方を向いて話せなかったけど、今はもう慣れたもんだ。



『ふふー、』

「機嫌、いいね」

『だってさ、嬉しいから』



にっこり笑って言うと、石井さんも嬉しそうに笑う。こんな時間が好きで、石井さんに甘えたくなる。



『そうだ、石井さん、聞いてよ』

「何?」

『ちょっと背中、貸して』



さっきまで借りていた背中を少し離して、指先で2文字を書く。書き終わって少ししたあとに石井さんは私を振り返り、優しい笑顔で「俺も、」と呟いた。





その背中に愛のことば


お題拝借 確かに恋だった
20141019


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