短いの
□BREEZE GIRL
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夏は暑くて嫌いだ。
「…あっちー、」
いや、正確に言うとまだ夏じゃない。世間は6月。これから梅雨が始まろうとしている季節でこれから特に勝さんが困るような時期でもある。
「(32.6℃、とか…)」
じりじりと照りつける太陽。暑さでセミが間違えて早く産まれてきそうな暑さ。…溶ける、多分。長い間日向にいることが出来なくて日陰に入って数十分。日陰に入っても暑いとかおかしい。
ざあ、とでっかい木々が揺れる。風だ。日陰だといい感じに気持ちいい。
『暑い?』
「うん、暑い。…ん?」
目の前には俺と同じくらいの年の女の子。片手にはアイスクリーム。…おかしい、さっきまで周りにはほとんど人なんていなかったのに。
『汗、すごいね』
「まあね。暑いからね」
日向にいるその子は太陽に照らされながらにこにこ笑っている。ただでさえ眩しいその子の笑顔が太陽もプラスされて何だか倍以上眩しい。
…あれ、この子日向にいるのに全く汗かいてない。
『…ん!』
「ん…?え、どうした?」
『アイス、』
「何、アイスくれんの?」
『うん。あなた暑そうだから』
そう言ってその子は俺に無理矢理アイスクリームを押し付けて颯爽と走って行った。
「…何なんだあの子?」
初夏、アイスクリーム、不思議な涼しげ女の子。
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夏に起きた不思議な話、で思い付いたんだけどほんと変な不思議な話になった…
title by*Base Ball Bear
20140606
20140831修正