+novel+

□第二場
1ページ/2ページ

第一幕 第二話   文化祭役員決め





セット:カンナ二年F組教室

赤い制服の生徒たちが机と椅子に座っている

小和N 一年前の高校二年生の春
私たちの教室では、文化祭の役員決めが行われていた




委員長 聖花祭の実行委員をやりたい人は、手をあげてください

萌黄 はい! あたし、やりたいでーす!





大里萌黄(この物語の主人公の一人 ジュリエット)と小和は、
セリフのあと元気よく自分の席に座る
そこに錦京助(萌黄に片思いをする ティボルト)が萌黄の邪魔をする





京助 ちょっと待った!
俺も立候補します!

萌黄 えー!
ちょっとまってよ、京助!話が違うじゃん!
京助は文化祭でダンス部の発表会があって忙しいから
文化祭実行委員の座はあたしにゆずってくれるって約束したじゃん!

京助 え〜俺んなこと言ったっけ

萌黄 言った!

京助 だいたい萌黄だって去年体育祭の応援団やっただろ?

萌黄 それとこれとは別 だって文化祭だよ、文化祭!
お祭りに参加しなくてどーすんの!

みのり(萌黄の親友) (小和に耳打ちしながら)
京助ったら、絶対萌黄と一緒に実行委員やりたいだけじゃん〜

小和(萌黄の親友 京助のいとこで許嫁) みのりちゃん!

京助 何か文句あっか?

みのり 萌黄! 京助と萌黄のふたりで実行委員やればいいじゃん

萌黄 何言ってんのみのり!

みのり 実行員は副もいるから、ふたりで出来るし ねえ???

萌黄 えーやだあー
京助絶対仕事しないもん〜 助けてこよりん〜

小和 皆で頑張れば、思い出いっぱいできるよ、きっと ね?

京助 それに俺がリーダーなら、絶対イリスには負けねえからな
あいつらが怖じ気づくような、超すげえ企画出してやる
なあ?(皆に同意を求める 皆同意する)

萌黄 文化祭はイリス学院の人たちと喧嘩するためのものじゃないよ

京助 馬鹿 そんなんでリーダーが務まるか
負かすつもりで行かねえと、また青竹に見下されるぜ

みのり ホントホント
この間の合唱コンクールとか運動会、全部イリスが勝ってんのよ
噂じゃ先生たちに媚び売って勝たせてもらってるらしいし

萌黄 もう、みのりまで

先生 じゃあ決まりだな
実行委員大里萌黄、副錦京助。
あとはふたりで進行よろしく




小和N 一年目の高校生活は矢の如く過ぎ去り、
そして迎えた二度目の春。
花園の中でぬくぬくと育っていた私たちは、本当に無垢な存在だった。
死がこんなにも身近に存在していること。
若さとは愛を欲すること。
愛は身を滅ぼすこと。
三度目の春は、もうこの花園には訪れないということ。

きっと誰にも止められなかったのだ。
定めだったのだ、
私たちの過去に起こった出来事は。






次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ