Breeze and Brilliance

□今はただの
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ついに(地獄の)合宿が始まった。

荷物を運んできたついでに部員を脅していった景虎を見送った彼らは砂浜にやってきた。

「「「海だー!!」」」

「合宿だダァホ!!」

「磯の香り、急がねば!キタコレ・・・!」

「伊月黙れ。」

「今回の合宿の目的は弱点克服。今、誠凛に必要なのは個人能力の向上よ!チーム力の向上が掛け算だとしても、5人の能力が低ければ大きな数値にはならないわ。別に個人技を主体としたチームにする訳じゃないわ。あくまで束ねる力を一つ一つ大きくする事よ。誠凛というチーム一丸で勝つために。さあ、始めるわよ!合宿!」

(副音声で地獄の、って聞こえてきたのは気のせいかな・・・)

始まったのは砂浜練習。床と違い、足を取られてしまうため選手たちは動きが鈍くなる。黒子のバウンドパスは沈み、火神のジャンプもゴールに届かない。

(砂浜のコートではパスでしかボールは繋げない。そのために必要なのは素早い状況判断、か・・・)

「皆さん!水分補給の時間ですよ!」

人数分のボトルを用意した碧は元気良く声をかけた。

「リコさんもどうぞ!」

「あら、ありがとう。碧ちゃんもしっかり水分補給してね。」

「はい。あの、今晩の食事メニューのことなんですけど・・・」




夕方になると一同は体育館に移動して練習を続けた。

(!動きが前より良くなってる・・・足の使い方に無駄がなくなったのね・・・さすがリコさん。)

リコの狙いに気づいた碧は強く頷くと持っていたノートにペンを走らせる。

(・・・?珍しい、大我がダンクしないなんて・・・)

まるで飛びすぎたことに戸惑ったかのような火神の様子をリコや木吉がじっと見ていた。
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