calf love

□1 春
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あっという間に春が来て、もうすぐ高3になる。
あんなに寒かった朝が、今はもう長袖1枚で走っても心地よいくらいの気候になって、この時期はいつも季節の巡り変わりのはやさを実感する。


学校がない今は、ただダンスのことだけを考えて生活している。
他の友達は、将来のこととか大学のこととか、これから始まる1年でいかに将来の自分を充実させられるかに日々悩んでいるんだろう。
僕もちゃんと考えなくちゃいけないんだろうけど、
あいにく今は踊ることが好きで好きでたまらない。
僕がダンスを始めたのは小学3年の時。
きっかけは結構安易なもので、ヒョンと一緒にテレビを見ててダンサーって素敵だなと思っていて、まず先にヒョンが初めて。
そしたらすぐにチヤホヤされるようになって。
僕は、負けず嫌いなところがあるから始めた。
始めてみると、みるみるうちにダンスの魅力におちていって、
DVDを借りてきて見ながらプロの良いところを真似しようと奮闘したり、
時間を忘れて練習して寝不足で学校へ行ったりなんてしょっちゅうで。

僕にはダンスのセンスと、それに見合うだけの実力があると思う。
ただ若いからこういうことが言えるだけじゃなくて、それだけ練習してると自分でも思うから。
でも練習するのは全然つらくない。
むしろ今日はここまでできた、明日はここまでやるぞ、とか小さな目標をいっこいっこつくっていって、それを成し遂げていく。
それが本当に楽しいし、自分でもちょっとずつ伸びてることがわかる。


僕のダンスへの熱をさらに熱くさせたひとがいて、
小6のときにぼくの住む街に越してきた、ジョンインっていうやつが。
ジョンイナは、小2からいろんなジャンルのダンスをやってきてて、確かにレベルが高かった。
しなやかだし、迫力もあるし、どんなジャンルを踊っても自分のスタイルに合わせてしまう。
初めてジョンイナが踊るのを見たときは、こんなやつがいるんだなって自分の世界の狭さがちょっと情けなくなったくらい。
最初はいいライバルができたと思ってたけど、
向こうはそんなふうじゃなくて、
むしろ僕のことを尊敬してくれてて、
すぐに仲良くなった。
それからはいつでも一緒に練習している。
ジョンイナといると、
楽で、楽しい。
同じ時代に同じ場所でこうして踊れていることを神様に感謝したいくらい笑

僕たちの街は、決して大きくないし、郊外という響きがしっくりくるようなところなんだけど、
ダンススクールだけは大手の教室の支部があったから本当によかった。
ここがなかったら、僕はなにしているんだろうな。
ダンスのない生活なんてもう今じゃ考えられないや!


散り始めた桜って儚くて綺麗だなー。
風きもちー。
今日も疲れて立てなくなるくらい練習すっぞ。
 

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