ディアーユー

□昨日ぶり
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「あれ?今日、ナマエ見てねーけど」

いつもなら飯はナマエが出し下げをするのに、今日は朝もいなかったし、今(昼)も姿が見えない。
仕方なく他のメイドにナマエはどこかって聞いたら、気の毒そうな顔して別件ですだってよ。
べっけん?...ベッケン?
つーか、ブタ君も見てねーな。
んま、あいつはあんまし部屋から出ねーから大したことじゃねーし、家族が揃わないことだって稀じゃねーから。

「どこにいるの?」
「おそらくミルキ様と一緒かもしれません」
「え!!なんで!!?なんでナマエがブタ君と一緒なの!?」
「さあ、私には」

あの、ブタめ。
仕事しねーでナマエと何やってんだよ...。
確かにナマエは可愛いからブタ君みてーなオタクには目の保養かもしれねーけど......。

「あ!キルア様、お昼は...!?」
「後で食うからそこ出しといて!」

のんきに食ってられるかよ。
ブタ君とナマエが2人ってそりゃ、いかがわしいことしか思いつかないね!
オレはブタ君の部屋へ走って行った。
なんかあいつの部屋ってこもってる感じで好きじゃないけど、行くしかない。今、ナマエを守ってやれるのなんかオレだけだ!




「なあ、ブタくーん!」
「入っていー?」

部屋の前まで駆けつけたキルアは一応ミルキに声をかけて、答えは待たずにドアを開けた。
すると中では地べたに向かい合って座るミルキとナマエが居た。周りには紙が散らばっている。
ミルキは驚いてキルアを見たが、それに反してナマエはにこやかだった。

「あ、キルア様、おはようございます」
「キ、キル!」
「おはよーじゃねー」
「あれ?もうこんにちは...ですか?」

おはようとか、こんにちはとか、そうゆう問題じゃないんだけど......でもまあ、ナマエの服は乱れてねーし、何もなさそうだな。

「何してんだよ、お前ら朝から」
「いえ、夜からですよ」
「はぁああっ!?よるぅうう!!!?」
「おいこら!余計なこと言うなよナマエ!」

おいこら、はてめーだ!ブタ!
夜から何やらかしてんだよ。オレだってナマエと一晩過ごしたことはねーんだからな。

「別に何もないからな!お前が考えていそうなことは!」
「徹夜でコスプレの案を練っていました」
「...コスプレって......コスプレ!?」

オレはブタ君達の周りに大量に落ちてる紙を一枚拾って見てみたら、ブタ君の好きそうなアニメやゲームのキャラクターのイラストが。
え?え?ちょっとわけわかんねーんだけど。
最初から説明して?

「ミルキ様がコスプレのコンテストに私に出てもらいたいとおっしゃるので」
「絶対優勝できるだろ?」
「できる...だろうけど」

それってコスプレしたナマエが何考えてるかわかんねーようなやつらの前に晒されるんだろ?
いいの?それは?
いやいやいや、ダメだろ。

「ナマエは受けるって言ったのかよ?」
「楽しそうだと思いませんか?」
「ねーよ」

オレは反対。断固反対。

「どうしてですか?」
「それは、メイドの仕事かよ」
「キルア様だって私にゲームさせるじゃないですか」
「あれはいーの!」
「あれだって本来はメイドの仕事じゃないですよ」
「あれはメイドの仕事!てかお前の仕事!」
「だってミルキ様が...特別給を出してくださるって言うから」
「金かよ」
「まあ、ないよりはある方がいいです」

キルアがさっきから2人の会話をワタワタと見ていたミルキを睨んだ。

金で釣ったな、ブタやろー。

「ダメですか...?」
「......するとしたらどんなカッコすんだよ」
「なんだ、気になるんですねキルア様も」
「べ、別に気になっちゃいねーけどさ、見せてみろよって!」
「これですよ、えっと、ミルキ様、これなんでしたっけ?」
「怪盗キャッツタマミちゃんだ」
「そうそう、タマミちゃん」
「......」

ミルキはふうふう言いながら言い張る。

オレがナマエから受け取った紙はほとんど肌を露出したアニメっぽいキャラクターが描かれていた。
......。
......。
こ、んな......。
こんなほぼ全裸みたいなの......。

「ダメに決まってんだろーーーーーーーーーーーー!!!!」

ゾルディック家中にキルアの怒鳴り声が響いた。









ミルキ登場!

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