長い夢物語

□第二章
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今「あ。」

『…どうも。』


中学の時の先輩に出会ってしまった。

『チョコレート買いにきたんですか?今吉先輩。』

今「あほか、買い出しや。」

久しぶりに見た今吉先輩はちょっと疲れてる様だった。

今「彩芽はバレンタインか?」

『そうです。』

私は笑えてるのかな。
今吉先輩の前で。

今「…あれ、3年前やったか?
お前がバレンタイン前に花宮に泣かされとったん。」

『あっ…。ダメです、その話。』

本当にこの先輩は人の嫌な事ばかり言う。

今「すまんな。
誰かえぇ人にあげるん?」

『これからえぇ人になる人に。』

先輩はふーん、と顔色一つ変えずに言った。

今「まぁ、がんばりーや。」

『…そうですね。』

手をひらひら振りながら、
私の傍を通って行く先輩に、
1度息を吸ってから言った。

『先輩、チョコ要りますか?』

今「義理チョコくれるん?」



『違いますよ、本命でしたチョコ。』




あいつに泣かされる前、
貴方に泣かされてるんですよ、
今吉サン。











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