長い夢物語

□第二章
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あの日から、私は緑間の自主練習に付き合えていない。

そして、緑間は本当にワガママを言わなかった。

高「寿さん、何か知ってるんっすか?」

高尾が楽しそうに言うから、
誤魔化すに誤魔化せなかった。

『…緑間ね、ワガママ一生分で、私の本命チョコ欲しいんだって。』

言ってる途中で恥ずかしくなったけど、
高尾の顔を見たら、高尾の方が恥ずかしそうだった。

高「ひゃー、真ちゃんまじでそんなこと言ったの…」

コートの中の緑間に目をやると、
いつも通り、遠いシュートを打っていた。

高「明日じゃん、バレンタイン。」

『そうだね。』

高「あげるの?」

『そうだね。』

高「あげるってことは付き合うんっすか?」

『…そうだね。』





帰り道、途中でチョコレートの材料を買いに、
ショッピングセンターに行ったのが悪かった。

一番会いたくなかった人に会ってしまった。
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