読み物
□二人の日常 アレク夢(ユアン視点) ほのぼの
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でも、アレクのこれは昔からだからな。
幼い頃から言葉足らずで不器用なアレクがそう簡単には変わらないことを、ユアンは一番よく知っている。
そんな諦めにも似た感覚を覚えていると、アレクは不可思議そうに眉根を寄せた。
「ん?充分褒めてるだろ?」
「………そうか」
どうやら、アレクの中の基準値そのものが壊れてるらしい。
思わず溜め息をつきたくなりながら紅茶を啜る。
柔らかな春のような香りが、そっと自分の体に染み渡るような感じがした。