読み物
□待ち侘びて 水尾夢 甘
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「あ?家光からの書状だと?しかも、俺宛じゃなく葵宛だ?」
「はい」
家臣からの文を受け取り、水尾は訝しげに眉をひそめる。
「わかった。下がれ」
「は、はいっ」
家臣は深く頭を下げると、すぐに襖を閉めて退室した。
すると、ずっと押し黙っていた葵が口を開く。
「…あ、あの…水尾様?」
「何だ?」
「そのぅ…そろそろ離していただけませんか?」
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