夏の夢
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「いい? これを決して外しちゃダメよ?」
母と思われる女性は女の子に諭すように話す
「どぉして?」
女の子は母が言ってることがよく分からないとでも言うようにこくり、と首をかしげる
「これはね、あなたの力をおさえてくれるの。
もし、あなたが負の感情で満たされて力が暴走しても、このピアスがあれば力を制御してくれるわ」
そういって女の子の耳に輝くピアスを指す
綺麗な青く輝く花の形をしたピアス
「??」
母の言葉に女の子はさらに分からない、という顔をした
「今はまだ、分からないわよね。でももし、外れるようなことがあればあなたの周りの人が傷ついてしまうの」
母は困ったような顔をして、でも女の子にちゃんと分かるようにゆっくりと話す
「やだぁ、やだよぅ…」
くしゃり、と女の子の顔は泣きそうになった
「だからね、このピアスは絶対に外しちゃダメよ?お母さんと約束ね」
「うん………わかった。」
女の子は母の言葉にこくりと頷いて答えた
母はホッとしたように女の子を抱きしめていた