大和撫子だもんっ!!
□*4*姫君の不安と安堵
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奈帆
「皆さん!朝ですよ!!」
今日も船内に、元気な奈帆の声が響く。
奈帆がシリウス号に乗って、しばらくの月日が流れた。
奈帆が毎朝皆を起こしてまわるのも恒例行事になり、 誰もがそれを受け入れる。
そんなある日だった。
シン
「奈帆、次の港が決まった。」
奈帆
「!!」
シンが、帰ってくるなり奈帆にそう伝えた。
奈帆
「珍しいですね。いつもなら、船内会議で船長が発表しますよね。」
シン
「ああ。だが、今回はお前に深い関係があるらしい。だから言っておく。次の港は、グランデッタという島だ。」
奈帆
「グランデッタ?」
奈帆は、怪訝そうに首を傾げる。
シン
「なんだ?知らないのか?」
奈帆
「はい。覚えがありません。」
シンは、隣で一生懸命思い出そうとしている恋人を、ただただ不思議そうに見つめた。
シン
(鈴音・・・・・・嘘を言ったのか・・・・・・?)
鈴音が航路会議に顔を出したのは、奈帆が船に乗る前以来である。
奈帆に顔を合わせようとしない理由を尋ねても、「もうすぐわかるから。」と、勿体振って答えようとしない。
そんな鈴音に、シンは「ガキはもう寝てろ!」と叫んで、航海室を飛び出してきたのだった。
シン
「・・・・・・もういい。行けばわかるだろう。寝ろ。」
奈帆
「・・・・・・はい。」
奈帆が布団に潜り込む。
シンも、奈帆の隣に横になった。