大和撫子だもんっ!!

□*4*姫君の不安と安堵
1ページ/9ページ

奈帆
「皆さん!朝ですよ!!」

 今日も船内に、元気な奈帆の声が響く。

 



 奈帆がシリウス号に乗って、しばらくの月日が流れた。

 奈帆が毎朝皆を起こしてまわるのも恒例行事になり、 誰もがそれを受け入れる。

 そんなある日だった。

シン
「奈帆、次の港が決まった。」

奈帆
「!!」

 シンが、帰ってくるなり奈帆にそう伝えた。

奈帆
「珍しいですね。いつもなら、船内会議で船長が発表しますよね。」

シン
「ああ。だが、今回はお前に深い関係があるらしい。だから言っておく。次の港は、グランデッタという島だ。」

奈帆
「グランデッタ?」

 奈帆は、怪訝そうに首を傾げる。

シン
「なんだ?知らないのか?」

奈帆
「はい。覚えがありません。」

 シンは、隣で一生懸命思い出そうとしている恋人を、ただただ不思議そうに見つめた。

シン
(鈴音・・・・・・嘘を言ったのか・・・・・・?)

 鈴音が航路会議に顔を出したのは、奈帆が船に乗る前以来である。

 奈帆に顔を合わせようとしない理由を尋ねても、「もうすぐわかるから。」と、勿体振って答えようとしない。

 そんな鈴音に、シンは「ガキはもう寝てろ!」と叫んで、航海室を飛び出してきたのだった。

シン
「・・・・・・もういい。行けばわかるだろう。寝ろ。」

奈帆
「・・・・・・はい。」

 奈帆が布団に潜り込む。

 シンも、奈帆の隣に横になった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ