大和撫子だもんっ!!
□*3*一輪の花
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「っ!」
剣術大会に出たのが間違いだった。
シリウス海賊団は懸賞金がかかっている。
「ちっ……」
ハヤテは、剣を振って威嚇しながら逃げ出した。
他の仲間も気が付いたらしく、暗い路地で再開。
「船長、どうするんすか……」
「う〜ん……」
リュウガは、考えるふりをする。
こうなることは、前もってわかっていた。
後は、男が来るまで待つのみだ。
「あの……追われているのですか?」
意外と早かったな、とリュウガは思った。
振り返ると、1人の男がいた。
「よかったら、家へ来ますか?」
「……俺らは海賊だぞ。」
「シリウス海賊団でしょう。有名ですから。」
掟のことだろう。
「困っている人は助けませんとね。海賊も人間ですよ。」
「……悪いな。少しだけ居させてもらう。」
「どうぞどうぞ。お構いなく。」
男は、やさしく微笑んだ。