I want to protect you

□二章
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「でも、リマナ・・・貴女、死んじゃうわよ!」


私は無言で微笑んだ。


大丈夫って・・・伝わったかな?


それからはフームを振り切って、走り続けた。


挫けそうになったら弟のことを思い出した。


あの子はもっと苦しい。


あの子はもっとつらい。


私が・・・泣き言なんて言ってられない!





29周目に入った時、日は既に落ち始めていた。


朝からずっと走りっぱなしということだ。


もう汗は出ない。


きっと水分がないのだろう。


意識が朦朧としてくる。


その度に私はまた、弟の顔を思い浮かべる。


そして、ゴール間近・・・。


海岸にはフームがいた。


隣にはピンクの球体。


あれが・・・カービィ?


「リマナ!もうやめなさい!まさかとは思ったけど・・・まだ走っているなんて・・・。」


大丈夫だよ、フーム。


もう・・・終わったから・・・。


そう言いたかったけど、声にはならなくて。


私は意識を手放した。





・・・。


・・・・・。


・・・・・・・・・・。


ここ、どこだろ・・・?


真っ白な空間。


あれ?マナト・・・?


どうしてここに・・・。


忌々しい首輪もついてないし・・・。


あれは・・・お父さんとお母さん?


そっか・・・全部夢だったんだ。


これで、また家族全員揃ったね・・・。


よかった・・・。





「リマナ!」


あ・・・れ?


目を開けると、そこには泣きそうなフームの顔があった。


「リマナ!よかった・・・目を覚ましたのね。喉、渇いてない?」


そういえば・・・カラカラだ。


軽く頷いた。


「やっぱり・・・。脱水症状起こしてるってヤブイが言ってたから。はい、お水。」


フームから水を受け取って飲む。


私・・・何してたんだっけ?


お父さん達は・・・?


「だからメタナイト卿に言ってこようかって言ったのに・・・。それで、何周走ったの?」


あれは・・・夢?


そっか・・・そうだよね・・・。


「・・・リマナ?」


はっと我に返る。


「あ・・・えっと・・・?」


「大丈夫?まだ具合悪い?」


「ううん・・・それで・・・なんでしたっけ?」
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