I want to protect you
□五章
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「どうでした?先日、魔獣ハナミーを送ったのですが・・・。」
あの花見から数日が経った。
すぐに報告できなかったのは、内容がまとまらなかったせい。
だから今、カスタマーと連絡を取っている。
「・・・最初は魔獣が優勢だったみたいだけど、最後にはカービィが剣の能力を使って倒してたわ。」
結局、まとめたらこんなことしか言えない。
「そうですか・・・。で、メタナイト卿はどんな様子でした?」
「特に変な動きはなかったけど・・・。フームも、カービィに指示を与えていただけだし。」
「・・・それにしても、魔獣のいた状況に居てよく無事でしたね?」
分かりやすいくらいに話題を変えてきた。
「・・・無事じゃないのが前提?」
「いえいえ!そんなことは・・・。ですが、魔獣に貴女のことは伝えておりませんし・・・。攻撃されてもおかしくはないでしょう?」
無事じゃないのが前提なんじゃないか。
ため息が出る・・・。
「そうね。危なかったけど、メタナイト卿が助けてくれたわ。」
二回も・・・ね。
頼もしい背中を思い出す。
「ほ〜・・・。では、助けてもらえる程度には近づいているんですね?」
「ええ・・・。」
「それはいい傾向です。今度褒美を取らせましょう。何がよろしいですか?」
「私とマナトを自由にして、二度と関わらないで欲しいわ。」
「それはできない相談ですねえ。ま、邪魔なカービィ達がいなくなったら可能ですが♪」
「・・・カービィを殺せばいいの?それが貴方の目的?」
「ほほほ。貴女にそんなことができるわけないでしょう?戦いの心得なんて微塵もない、ただの小娘に。」
確かにそうだ。
魔獣でも殺せないカービィを、一般人の私が殺せるはずはない。
では、カスタマーは私に一生こんな報告をさせるつもりなのだろうか?
「そんなに睨まないで頂きたいですねえ。それでは、褒美はマナト君に会えるということでどうでしょう?」
「マナトに?いいの?逃がしちゃうかもしれないわよ?」
「ご心配なく。首輪は私でなければはずせませんから。それでは、今度要塞にお戻り下さい。お待ちしております。」
「・・・分かったわ。じゃ、もう切るわよ。貴方の顔見てると気分が悪いわ。」
「ほほほ・・・。では、間者生活頑張って下さい。」
通信が切れる。
まあ、自由になることは叶わなかったが良しとしよう。
ここに来てからもマナトのことが心配でならなかったし・・・。
それにしても・・・分かってはいたが、やはりあの男は最終的にカービィを殺したいと思っているのか。
でも、私にそれはできないだろうし・・・。
あの男は私を何に使うつもりなのか。
まさか、こんなしょうもない報告のためだけとは思えない。
・・・なんだか疲れたな。
色々なことがありすぎて、キャパオーバーだ。
私はベッドに向かい、体を沈めた・・・。
→おまけ