I want to protect you
□四章
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・・・。
・・・・・。
・・・・・・・・・・。
いつまでたっても衝撃はこない。
瞑っていた目を開ける。
目の前には深い青。
「メタナイト卿・・・?」
「・・・大丈夫か?すまない、皆酔ってしまって自我がない。今はあの魔獣の言いなりだろう。」
近くには割れた空の酒瓶が転がっている。
割ってくれたのか・・・。
周りがうるさくて音が聞こえなかった。
これ以上倒れたままだと危険なので、とりあえず立ち上がる。
「ありがとうございます・・・。」
「ああ。フーム!カービィに指示を!」
短く言うと、すぐにフームはカービィの方を向く。
「カービィ!すいこ・・・カービィ!?」
「ぽよ〜ふへへ・・・。」
カービィの体は元々ピンク色だが、その上でも分かる。
顔が・・・赤い。
「カービィ!まさか・・・魔獣のお酒飲んじゃったの!?」
「ぽよーい♪」
本人はいい気分らしく、満面の笑みを浮かべている。
「オラオラ〜。そこのピンクの坊やも仲間だぜ〜♪」
「ぽよよ〜い♪」
ああ・・・私の不注意だわ。
イロー達のことしか見てなかった・・・。
「さ〜皆!ノリの悪い野郎共を追い出せ〜!」
「そうだーーー!」
「帰れー!」
再び投げつけられる物、物、物・・・。
カービィまで投げている。
「まずいな・・・このままでは・・・。」
メタナイト卿の呟きの通り、避けるので精一杯だ。
私は子供達を庇いつつ避ける。
このままじゃジリ貧ね・・・。
見た限り、魔獣にはそれほど殺傷能力はない。
ただ、場の人間を仲間にするのが抜群に上手いだけ。
つまり・・・。
仲間がいなければ、何もできない。
本体はきっとそれほど強くないはず。
それなら・・・。
私は物を投げつけられるのも構わずに、カービィの元へと走った。
「リマナ!?危ないわよ!」
フームの静止の声も、今は聞かない。
色々な物が、色々なところに当たった。
でも痛いなんて言ってられない。