I want to protect you
□三章
1ページ/4ページ
先日倒れてから、久しく宇宙船に戻っていなかった。
心配性なフームに、ヤブイの病院で入院させられたのだ。
それから宇宙船に戻り、今に至る。
ぽかぽかとした春の陽気。
外の桜は満開だ。
でも、私の目の前には厭らしい笑みを浮かべた男が一人映った画面。
「お久しぶりですねえ。お元気でしたか?」
「貴方の顔を見るまでは元気だった気がするわ。」
「これは手厳しい・・・。まあいいでしょう。例の二人には上手く近づけましたか?」
例の二人・・・フームとメタナイト卿のことだろう。
「ええ。疑われてはいないと思うけど・・・。」
「そうですか・・・。では、もっと親密な関係になって下さい。特に、メタナイト卿とは・・・。」
「命令はそれだけ?」
「そうですねえ。あとは、近々魔獣を送ることになると思うので、その時のカービィの様子を報告して下さい。それと、メタナイト卿の動きには注意するように。」
・・・あんな危険なものを、この平和な村に平気で送るのか。
とことん気に食わない。
「分かったわ・・・。そういえば・・・マナトにつけた首輪って、何の意味があるの?貴方の趣味・・・なわけないわよね?」
「ははは。私にそんな趣味はありませんよ。あの首輪は私の持っている遠隔操作システムと連動してましてね。私がシステムのスイッチを押せば首が絞まるんですよ。」
だから・・・私が逆らったり、逃げ出したりすればマナトの首が絞まるし、マナトが逃げようとしてもマナトの首が絞まる、即ち、どちらの行動を起こしてもマナトは死んでしまうというのか。
「でも、それって・・・私がマナトを見捨てたら何にもならないじゃない。」
「・・・貴女にはそんなことは出来ないでしょう?」
カスタマーの笑みが深くなる。
私の性格なんてお見通しってわけか・・・。
「・・・私、そろそろ行くわ。今日はメタナイト卿と剣の稽古をすることになっているの。」
「そうですか。頑張って下さいね。」
画面の電源が切れる。
もっと親密な関係に・・・か。
恋人にでもなれというのだろうか。
まあいい。
私は言われたことを忠実にこなせばいいのだ。
自嘲気味な笑いが自然と零れる。
・・・早く城に向かわなければ。
城の三騎士の部屋に着く。
軽くノックをして部屋に入った。
「メタナイト卿。稽古に来ました。」
「ああ。それでは、始めるか。ソード、ブレイド、行くぞ。」
「「はっ。」」
四人で来たのは城の中庭。
メタナイト卿は私に木刀を渡した。
「まずは基本である素振りからいくか。」