I want to protect you

□一章
1ページ/5ページ

「あれが・・・ポップスター。」


もうすぐ目的地に着く。


カスタマーサービスから通信が入った。


「無事に着きそうですね。これからすることを説明しましょう。」


軽く咳払いをして話始める。


「貴女には・・・まあ、簡単に言うとスパイ・・・間者をして頂きます。」


「間者・・・?」


「そう・・・ププビレッジには次世代の星の戦士がいます。名前はカービィ。」


「星の戦士・・・?貴方達の敵なの?」


「そんな感じですね。ですが・・・カービィはまだ赤ん坊。間者をするまでもありません。」


「それでは誰の間者を・・・。」


「問題はカービィに指示を与える者達です。カービィの力の源であるワープスターを呼べる少女、フーム。」


「その人の懐に潜り込めばいいの?」


「ええ・・・ですが、最も注意をしなければいけないのは、元銀河戦士団であるメタナイト卿です。彼の懐に潜り込んで下さい。」


「・・・了解。」


「では・・・健闘を祈ります。何かあれば、また通信しますので。」


通信が切れる。


・・・守らなきゃ。私が。あの子を。





ププビレッジに着陸する。


沢山の人々が集まってきたのが分かった。


まずは信頼を得ること・・・。


でないと間者はできない。


作った笑顔を貼り付けて、私は宇宙船から出た。


「はじめまして。リマナといいます。驚かせてすみません。故郷が滅び、宇宙を彷徨っているうちにこの星に着きました。よろしければ、この村に住まわせて頂けませんか?」


村人はざわざわと騒ぎ始める。


すると、一人の少女が私の前に出てきた。


「はじめまして。私はフーム。ごめんなさいね、一つだけ確認してもいいかしら?」


「何でしょう。」


「貴女・・・カービィを狙ってきた魔獣とかじゃ・・・ないわよね?」


・・・この子がフーム。


私より少し年下だろうか、しっかりしたお姉さんタイプの子に見える。


それでも・・・やはりまだ幼い。


そんなにハッキリと聞いても、はいそうですと言うやつはいないだろう。


嘘をつかれたことがないのだろうか。


それほどまでに、この村は平和なのか。


それとも・・・私が嘘をつく人間には見えないということだろうか?


「違います。私はただ・・・住む場所を探していただけです。」


「・・・そう。分かったわ。それじゃあ、これからよろしくね!」


手を差し出される。


・・・単純な子。


でも、それだけ純粋とも言える。


きっと良い育ちなのだろう。


・・・ごめんなさい。


貴女に怨みはないけれど・・・大切な・・・たった一人の家族を守るため。


偽りの握手を交わした。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ