I want to protect you
□一章
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「あれが・・・ポップスター。」
もうすぐ目的地に着く。
カスタマーサービスから通信が入った。
「無事に着きそうですね。これからすることを説明しましょう。」
軽く咳払いをして話始める。
「貴女には・・・まあ、簡単に言うとスパイ・・・間者をして頂きます。」
「間者・・・?」
「そう・・・ププビレッジには次世代の星の戦士がいます。名前はカービィ。」
「星の戦士・・・?貴方達の敵なの?」
「そんな感じですね。ですが・・・カービィはまだ赤ん坊。間者をするまでもありません。」
「それでは誰の間者を・・・。」
「問題はカービィに指示を与える者達です。カービィの力の源であるワープスターを呼べる少女、フーム。」
「その人の懐に潜り込めばいいの?」
「ええ・・・ですが、最も注意をしなければいけないのは、元銀河戦士団であるメタナイト卿です。彼の懐に潜り込んで下さい。」
「・・・了解。」
「では・・・健闘を祈ります。何かあれば、また通信しますので。」
通信が切れる。
・・・守らなきゃ。私が。あの子を。
ププビレッジに着陸する。
沢山の人々が集まってきたのが分かった。
まずは信頼を得ること・・・。
でないと間者はできない。
作った笑顔を貼り付けて、私は宇宙船から出た。
「はじめまして。リマナといいます。驚かせてすみません。故郷が滅び、宇宙を彷徨っているうちにこの星に着きました。よろしければ、この村に住まわせて頂けませんか?」
村人はざわざわと騒ぎ始める。
すると、一人の少女が私の前に出てきた。
「はじめまして。私はフーム。ごめんなさいね、一つだけ確認してもいいかしら?」
「何でしょう。」
「貴女・・・カービィを狙ってきた魔獣とかじゃ・・・ないわよね?」
・・・この子がフーム。
私より少し年下だろうか、しっかりしたお姉さんタイプの子に見える。
それでも・・・やはりまだ幼い。
そんなにハッキリと聞いても、はいそうですと言うやつはいないだろう。
嘘をつかれたことがないのだろうか。
それほどまでに、この村は平和なのか。
それとも・・・私が嘘をつく人間には見えないということだろうか?
「違います。私はただ・・・住む場所を探していただけです。」
「・・・そう。分かったわ。それじゃあ、これからよろしくね!」
手を差し出される。
・・・単純な子。
でも、それだけ純粋とも言える。
きっと良い育ちなのだろう。
・・・ごめんなさい。
貴女に怨みはないけれど・・・大切な・・・たった一人の家族を守るため。
偽りの握手を交わした。