I want to protect you
□序章
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玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする
式子内親王
訳 絶えるならいっそこの命よ、絶えてしまえ。このまま生きているとこの恋を忍ぶ気持ちが弱って、皆に知られてしまいそうだから・・・。
・・・。
・・・・・。
・・・・・・・・・・。
〜ホーリーナイトメア社〜
「お父さん!お母さん!嫌!やめて!!」
目の前で、父と母が殺された。
平和で幸せな日常は脆く、儚く、簡単に壊れた。
どうしてこうなったんだろう。
今朝までは・・・いつも通りだったのに。
いきなり私の家に押しかけてきた魔獣。
家族全員連れて行かれた。
ホーリーナイトメア社に・・・。
そして・・・今、父と母は殺された。
魔獣の手によって・・・。
だが、悲しみに浸る暇はない。
カスタマーサービスが幼い弟に手を掛けていたからだ。
「弟に手を出さないで!私はどうなってもいいから!」
これ以上肉親の死なんて見たくない。
死ぬところを見るのは・・・怖い、つらい。
「・・・大丈夫、殺しはしません。“首輪”をつけるだけですよ。」
言った通り、カスタマーサービスは私の弟に怪しげな首輪をつけた。
「それ・・・何?」
「首輪ですよ・・・。貴方達姉弟を飼いならすための・・・ね。」
胡散臭い笑み。
「どういうこと・・・?」
「簡単なことです。貴女が我々の命令通り動けば、弟も貴女も死なない。貴女が裏切れば、弟が死ぬ。そして・・・弟君。」
「ふぇ!?は、はい・・・。」
「逃げようなんてしたら・・・貴方の命がないということは・・・幼い君にも分かりますよね?」
「・・・や・・・だ・・・死に、たく・・ない。」
「でしたら・・・大人しく我々の傍に居て下さい。そうすれば、悪いようにはしません。」
「わか・・・った。」
「さて・・・答えは決まっていますよね?」
再び私の方を向き、カスタマーサービスは聞いてきた。
「他に・・・弟を助ける方法がないのなら。」
「決まりですね。では、貴女にはポップスターのププビレッジという所に行ってもらいます。」
「・・・分かったわ。」
カスタマーサービスに連れられて、沢山の宇宙船のある所へ行く。
その途中、カスタマーサービスにあることを教えられた。
「先程、貴女は他に方法がないのなら・・・と言いましたが・・・あることはありますよ?」
「・・・嘘。」
「嘘ではありません。それは---------------------。」
「!?」
「・・・私としては、この方法はあまりお勧めしませんがねえ。」
しばらくして目的地に着き、一つの宇宙船の前まで来ると、カスタマーサービスは簡単に操作方法を教えて去っていった。
宇宙船に乗り込み、発進する。
マナトは・・・私が守ってみせる。